解脱道論 第二巻|分別定品第四
Document ID: SPEC-SAMADHI-06 Source: 解脱道論 巻第二 分別定品第四(梁・僧伽婆羅訳) Category: 02. Kernel Source Batch: 18 / 29 — 定の四分類群(後半):規模・依拠・所有者・因果
目次
MODULE 1:第三の四分類──規模(定の深さ × 精進の大きさ)
| # | 分類 | 定義 |
|---|
| 1 | 小定小事 | 定、心の所得に随わず。定小なれば精進小なり |
| 2 | 小定無量事 | 定、心の所得に随わず。彼の事、大精進なり |
| 3 | 無量定小事 | 定、心の所得に随う。彼の事、小精進なり |
| 4 | 無量定無量事 | 定、已に心の所得に随う。彼の事、大精進なり |
2×2マトリクス
| 小精進 | 大精進 |
|---|
| 小定(心の所得に随わず) | ①小定小事 | ②小定無量事 |
| 無量定(心の所得に随う) | ③無量定小事 | ④無量定無量事 |
「心の所得に随う」の意味
| 状態 | 意味 |
|---|
| 心の所得に随わず | 定が心に定着していない。定が心を従えていない |
| 心の所得に随う | 定が心に定着している。定が心を従えている |
MODULE 2:第四の四分類──依拠(何に依って定を得るか)
| # | 分類 | 定義 | 依拠するもの |
|---|
| 1 | 欲定 | 欲に依りて修め得 | 欲(意欲・志向) |
| 2 | 精進定 | 精進に依りて得 | 精進(努力) |
| 3 | 心定 | 心に依りて修め得 | 心(集中力そのもの) |
| 4 | 慧定 | 慧に依りて修め得 | 慧(智慧) |
四神足との対応
| 依拠四分類 | 四神足 | 大安般守意経 MODULE 7 |
|---|
| 欲定 | 欲神足 | 欲神足=信(実行コマンドの起動) |
| 精進定 | 勤神足 | 勤神足=精進(CPU継続駆動) |
| 心定 | 心神足 | 心神足=意+定(メモリロック) |
| 慧定 | 観神足 | 観神足=黠/慧(リアルタイムデバッグ) |
MODULE 3:第五の四分類──所有者(誰の定か)
| # | 分類 | 内容 |
|---|
| 1 | 仏の所得、声聞の所得に非ず | 仏だけが持つ定 |
| 2 | 声聞の所得、仏の所得に非ず | 声聞だけが持つ定 |
| 3 | 仏の所得、及び声聞の所得 | 仏と声聞の両方が持つ定 |
| 4 | 仏の所得に非ず、声聞の所得に非ず | 仏も声聞も持たない定 |
具体的な定の配置
| 定の種類 | 所有者 |
|---|
| 大悲定 | 仏のみ |
| 双変定 | 仏のみ |
| 学果の定 | 声聞のみ |
| 九次第定 | 仏と声聞の両方 |
| 無学果の定 | 仏と声聞の両方 |
| 無想定 | 仏でも声聞でもない |
無想定の位置
| 項目 | 内容 |
|---|
| 無想定 | 仏の所得に非ず、声聞の所得に非ず |
| 意味 | 仏も声聞も無想定を持たない。無想定は解脱の道ではない |
MODULE 4:第六の四分類──因果(起と滅の方向)
| # | 分類 | 定義 |
|---|
| 1 | 起の為にして滅の為にせず | 輪廻を生じさせるが、消滅させない |
| 2 | 滅の為にして起の為にせず | 輪廻を消滅させるが、生じさせない |
| 3 | 起の為、滅の為 | 輪廻を生じさせもし、消滅させもする |
| 4 | 起の為にせず、亦た滅の為にせず | 輪廻を生じさせも消滅させもしない |
各定の配置
| 分類 | 該当する定 |
|---|
| ①起のみ | 欲界の善不善の定 |
| ②滅のみ | 四聖道の定 |
| ③起かつ滅 | 学及び凡夫の色・無色の善定 |
| ④起でも滅でもない | 一切の果定及び事定 |
因果分類の意味
| 分類 | 実践的意味 |
|---|
| ①起のみ | この定は輪廻を維持する。定を得ても輪廻から出ない |
| ②滅のみ | この定は輪廻を消滅させる。四聖道の定だけがこれ |
| ③起かつ滅 | この定は二つの方向に作用する。使い方次第 |
| ④起でも滅でもない | この定は中立。果定(結果の定)と事定(阿羅漢の定)は、もはや起も滅も生じない |
MODULE 5:四分類群(後半)の全体構造
| 軸 | 基準 | 問い |
|---|
| 第三軸(規模) | 定の深さ × 精進の大きさ | この定はどれくらい深く、どれくらい精進しているか? |
| 第四軸(依拠) | 何に依って定を得るか | 欲・精進・心・慧のどれが主導しているか? |
| 第五軸(所有者) | 誰が持つ定か | この定は仏の定か、声聞の定か、どちらでもないか? |
| 第六軸(因果) | 起と滅の方向 | この定は輪廻を生じさせるか、消滅させるか? |
MODULE 6:全十二軸の総括(Batch 16〜18)
| バッチ | 分類数 | 軸 | 基準 |
|---|
| 16 | 二 | ① 世間/出世間 | 聖果の有無 |
| 16 | 二 | ② 邪定/正定 | 善不善 |
| 16 | 二 | ③ 外定/安定 | 深浅 |
| 16 | 三 | ④ 覚観 | 思考の残存度 |
| 16 | 三 | ⑤ 感受 | 喜/楽/捨 |
| 16 | 三 | ⑥ 善報事 | 発生源 |
| 17 | 四 | ⑦ 界域 | 欲/色/無色/出世間 |
| 17 | 四 | ⑧ 難易度 | 煩悩密度×根機 |
| 18 | 四 | ⑨ 規模 | 定の深さ×精進の大きさ |
| 18 | 四 | ⑩ 依拠 | 欲/精進/心/慧 |
| 18 | 四 | ⑪ 所有者 | 仏/声聞/両方/なし |
| 18 | 四 | ⑫ 因果 | 起/滅/両方/なし |
12の軸。 二分類×3+三分類×3+四分類×6=12の分類軸。一つの定を12の角度から位置づける。
三層クロスリファレンス
| 本バッチの項目 | 大安般守意経 | Kernel 4.x(無碍解道論) |
|---|
| 小定/無量定(定の深さ) | MODULE 5:止の4フェーズ(数止=小定、息心止=無量定) | Vol.3:信号サンプリング(浅い信号→深い信号) |
| 欲定・精進定・心定・慧定 | MODULE 7:四神足エンジン(欲・勤・心・観) | Vol.4:全リソースマウント(37道品の統合駆動) |
| 大悲定=仏のみ | ─ | ─(無碍解道論の範囲外) |
| 無想定=仏でも声聞でもない | MODULE 4:無=万物を念ぜざる(しかし無想定とは異なる) | Vol.7:滅のシーケンス(滅尽定は無想定ではない) |
| 四聖道の定=滅のみ | MODULE 12:四諦 Execute「道を行ず」 | Vol.7:8つの終了フラグ(不可逆のシャットダウン) |
| 果定・事定=起でも滅でもない | MODULE 6:六通=力を尽くして自在 | Vol.8:200+の智(完了後の中立状態) |
| 欲界善不善の定=起のみ | MODULE 5:十二因縁の「有」=バグの現実化 | Vol.6:無常タグ貼付(世間の定は輪廻を維持する) |
STATUS: Kernel Source / 実践者参照用 NOTE: 本バッチで分別定品の分類が完了する。全12軸。実践者にとって最も重要なのは第六軸(因果)。自分の定が「起の為(輪廻を維持する)」なのか「滅の為(輪廻を消滅させる)」なのかを知ること。深い定を得ても、それが起のみの定であれば輪廻から出ない。四聖道の定だけが「滅のみ」。無想定は仏も声聞も持たない──静かさの極致であっても解脱の道ではない。
前バッチ → SPEC-SAMADHI-05(四分類群・前半:界域・難易度) 次バッチ → SPEC-SAMADHI-07(四禅と五禅の構造)
コメント