あなたは自分が「頭が悪い」と思ったことはありませんか?
何度やっても覚えられない。 みんなはできるのに自分だけできない。 もう諦めた方がいいんじゃないか。
仏陀の弟子の中に
全く同じ悩みを抱えた男がいました。
チュッラパンタカという男
チュッラパンタカは
釈迦の弟子として出家しました。
しかし彼には致命的な問題がありました。
四ヶ月かけても たった一偈(一行の詩)を 覚えることができなかった
兄のマハーパンタカはすでに悟りを開き
立派な修行者として活躍していました。
しかし弟は
同じ一行を何千回繰り返しても
翌日には完全に忘れていました。
兄に追い出された日
ある日
兄はついに弟に言いました。
「お前には修行の才能がない。 僧団を去りなさい」
チュッラパンタカは
僧団の門の前で
ひとり泣いていました。
釈迦が現れた
そこに釈迦が通りかかりました。
泣いている理由を聞いた釈迦は
こう言いました。
「私のそばに来なさい」
そして一枚の白い布を渡し
ただこれだけを言いました。
「この布を手で擦り続けなさい そして『塵を払え、垢を除け』 という言葉を唱えなさい」
単純な作業の中で起きたこと
チュッラパンタカは
ただ布を擦り続けました。
難しい教えは何もありません。
哲学も理論も必要ありません。
ただ
布を擦る 塵を払え 垢を除け
これだけを繰り返しました。
あることに気づいた
しばらくすると
チュッラパンタカは
あることに気づきました。
「布が汚れていく」
最初は真っ白だった布が
手の汚れで
だんだんと黒ずんでいく。
その瞬間
彼の中で何かが
カチッと音を立てました。
気づきの正体
「外の布が汚れるように 心にも塵がある その塵とは何か」
布の汚れを見ながら
自分の心の中を見た。
怒り 執着 自己嫌悪
これらが
心についた塵だった。
そして
「塵は布についたものだ 布そのものではない」
と気づいた瞬間
チュッラパンタカは
悟りを開きました。
神通力を得た
悟りを開いた後
チュッラパンタカは
複数の自分の姿を同時に現す
神通力を得ました。
釈迦はその日の説法で
チュッラパンタカを指名し
代わりに法を説かせました。
かつて一偈も覚えられなかった男が
仏陀の代わりに説法する立場になった。
この話が示していること
チュッラパンタカが悟れた理由は
頭が良くなったからではありません。
知識を増やしたからでもありません。
ただ
一つのことに集中し続けた
それだけです。
現代への接続
私たちが苦しむ原因の多くは
「自分には才能がない」 「自分は頭が悪い」
という
心についた塵(ラベル)
です。
その塵は
あなた自身ではありません。
布についた汚れが
布そのものでないように。
釈迦が本当に伝えたかったこと
覚えられないことは問題ではない 理解できないことは問題ではない
今この瞬間 目の前にあることに ただ集中できるか
それだけが問題だった。
チュッラパンタカはそれを
一枚の白い布で
学んだのです。
この話の出典:パーリ語経典『テーラガーター』および『ダンマパダ注釈書』


コメント