関数名:kasina_definition() 開始フレーズ:「問う、云何なるか地一切入なる」 終了フレーズ:「かくの如き観を修し、曼陀羅を見て一切入に遍ず」 巻:第四巻 行門品第八の一 位置づけ:禅定篇の開始、業処修行全体の雛形
目次
MODULE 1:地一切入の五定義(修・相・味・処・功徳)
核心:地一切入は「心が地相に依りて生ずる」定の一形態。修・相・味・処・功徳の五軸で定義される。
| 軸 | 定義 |
|---|---|
| 生成 | 心、地相に依りて生ず |
| 修(修行法) | 心乱れずして住する |
| 相(特徴) | 善く地想に楽著する |
| 味(効果) | 捨てざる(地想を保持し続ける) |
| 処(境涯) | 意に異念無し |
出発篇からの継承:第一巻 Batch 02 の戒の五定義(相・味・起・処・功徳)と同型の定義枠組み。ウパティッサは業処もまた五軸で定義する。戒と業処が同じ記述様式を共有することで、両者が連続した実践であることが構造的に示される。
MODULE 2:十二の功徳
核心:地一切入を修すれば、12の功徳が得られる。神通力と智慧の両方を含む。
| # | 功徳 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 是の相を得ること易し | 地一切入は他の業処より相を取りやすい |
| 2 | 一切の時において | 時を選ばず機能する |
| 3 | 一切の行において | 行(歩・住・坐・臥)を選ばず機能する |
| 4 | 心行礙なし | 心の働きが妨げられない |
| 5 | 如意神通 | 意のままに神通を起こす |
| 6 | 水を履む | 水上歩行 |
| 7 | 空に遊ぶこと地の如し | 虚空を地のように歩く |
| 8 | 種々の色弁 | 多様な色の識別 |
| 9 | 初念 | 過去の第一念の想起 |
| 10 | 宿命弁 | 前世の識別 |
| 11 | 天耳界弁 | 天耳通 |
| 12 | 善趣・甘露を辺と為す | 行に随いて善趣に至り、甘露(涅槃)を境界とする |
注記:原文は「十二の功徳」と明示するが、羅列は列挙的で、最後の「善趣・甘露を辺と為す」は単独の項目か、前項の修飾かで数え方に揺れがある。原文の「十二」を尊重し、行に随う善趣・甘露の到達を独立項目として数える。
MODULE 3:「一切入」の語義
核心:「一切入」とは「周普(あまねくひろがる)して一切に入る」の義。対象を虚空に遍満させる性質。
仏の偈による例示
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 観の対象 | 仏徳 |
| 第一の効果 | 喜を生じて身に充遍す |
| 第二の観 | 地一切入を観ずる |
| 到達 | 閻浮提(この大地)に周満 |
| 結論 | 観は地に縁じて生じ、心喜もまた同じ |
構造的意味:「一切入」は単に対象を見ることではない。対象の相を虚空に拡張し、全世界に遍満させること。地一切入では地相を大地全体に拡張する。この「拡張性」が一切入の核心。
MODULE 4:「曼陀羅を見て一切入に遍ず」
核心:地一切入の修行の全過程は、「曼陀羅(円形の修行対象)を見る→相を取る→その相を虚空に遍満させる」の三段階に圧縮される。
| 段階 | 内容 | 以降のバッチで展開 |
|---|---|---|
| 1 | 曼陀羅を作り見る | Batch 02(曼陀羅の作法) |
| 2 | 相を取る | Batch 04(取相)、Batch 05(彼分相) |
| 3 | 一切入に遍ず | Batch 06(一切入の増長) |
三層クロスリファレンス
| 本バッチ(地一切入の定義) | 大安般守意経 | Kernel 4.x |
|---|---|---|
| 五定義(生成・修・相・味・処・功徳) | MODULE 1(安般守意のシステム定義) | Vol.0(シリーズインデックス) |
| 十二功徳 | MODULE 3(三十七道品へのマッピング) | Vol.8(200+の智による完全性証明) |
| 「一切入」の周普義 | MODULE 2(六事コマンド:数→随→止→観→還→浄) | Vol.4(全リソースマウントと信号精細化) |
STATUS / NOTE
実践者向け要点:
- 地一切入は38業処のなかで最も基礎的で、他業処の雛形として機能する
- 「心乱れずして住する」が修の核心。技法的な複雑さではなく、継続的な不乱
- 12功徳の神通力は結果であり目標ではない。目標は「善趣・甘露を辺と為す」こと
- 初学者が地一切入から始めるのは、「是の相を得ること易し」(相が取りやすい)という実用的理由による
継承事項:
- 第三巻 Batch 08(38行処カタログ)で「地一切入」は第1番目の行処として列挙された
- 第三巻 Batch 11(欲行人・癡行人への処方)で、地一切入は「法一切入及び数息は、空を以て増長す。妨げ無くして一切行を成す」と結ばれる普遍的行処の候補
- 本バッチで、その具体的内容がいよいよ展開される
次バッチ予告:
- Batch 02:曼陀羅の作法(二種の地、作地の物理的作成、円を最勝とする判断)
リンク
- 物語版:Batch-V4-01.md ──「地一切入とは何か」
- 前のバッチ:第三巻 Batch 12「六人から三人への最終圧縮」
- 次のバッチ:Batch-V4-02「曼陀羅の作法」
- 出発篇統合:Integration-01-Departure.md

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