解脱道論 第二巻|分別定品第四

Document ID: SPEC-SAMADHI-04 Source: 解脱道論 巻第二 分別定品第四(梁・僧伽婆羅訳) Category: 02. Kernel Source Batch: 16 / 29 — 定の二分類群(3軸)と三分類群(3軸)


目次

MODULE 1:第一の二分類──世間定と出世間定

分類定義属性
世間定聖果の所得に非ざるもの有漏・有結・有縛
出世間定聖果の所得世間定と相違する

世間定の十属性

#属性意味
1有漏煩悩の漏れがある
2有結結び付きがある
3有縛束縛がある
4是れ流流れに巻き込まれている
5是れ厄災厄である
6是れ蓋覆い隠している
7是れ戒盗戒を盗む(戒を持つと見せかける)
8是れ見盗見を盗む(正しい見解と見せかける)
9是れ取取り(執着)である
10是れ煩悩煩悩である

核心: 世間定は定としては成立しているが、煩悩の枠内にある。定を得ても、それが世間定である限り、漏・結・縛・流・厄・蓋・盗・取・煩悩の全てが付随する。


MODULE 2:第二の二分類──邪定と正定

分類定義対応
邪定不善の一心当に断つべし
正定善の一心応に修すべし

核心: 一心(心が一つに集中する状態)であっても、不善なら邪定。善なら正定。集中の深さではなく、集中の方向(善不善)で決まる。


MODULE 3:第三の二分類──外定と安定

分類定義段階
外定彼彼の定の初分定の表層。入り口
安定性除の無間煩悩の根本除去が連続する深層

核心: 「外定」は定に入った初期段階の表面的安定。「安定」は煩悩が根本から除かれ続ける(無間=途切れなく)深い安定。同じ定の浅い層と深い層。


MODULE 4:三つの二分類の関係

分ける基準質問
第一軸聖果の有無この定は解脱に至るか?
第二軸善不善この定は善か?
第三軸深浅この定は表層か深層か?

構造: 三つの二分類は異なる軸で定を切っている。ある定が「世間定」であり「正定」であり「外定」であることもありうる。三つは排他的ではなく、同時に適用される。


MODULE 5:第一の三分類──覚観による分類

分類定義対応する禅
有覚有観定覚(vitakka)と観(vicāra)が共にある初禅
無覚少観定覚がなく、観が少しある二禅
無覚無観定覚も観もない三禅以上

覚と観の定義

用語機能
覚(vitakka)対象に心を向ける最初の動き。粗い思考
観(vicāra)対象に心を留めて検査する動き。微細な思考

核心: 禅定が深まるにつれ、まず覚(粗い思考)が消え、次に観(微細な思考)が消える。最終的に思考の活動がゼロになる。


MODULE 6:第二の三分類──感受による分類

分類定義対応する禅
喜と共に生ずる定喜(pīti)を伴う初禅・二禅
楽と共に生ずる定楽(sukha)を伴う三禅
捨と共に生ずる定捨(upekkhā)を伴う四禅

喜・楽・捨の段階

段階感受性格
高揚的な満足エネルギーが高い。波がある
安定した安楽エネルギーが安定。波がない
中性。偏りなしエネルギーが中立。反応しない

核心: 喜→楽→捨。高揚が安定になり、安定が中立になる。感受が段階的に沈静化する。


MODULE 7:第三の三分類──善報事による分類

分類定義対象者
善定聖道・学人及び凡夫、色・無色の定を修す能動的に修行している者
報定聖果・学人・凡夫、色・無色界に生ず過去の業の果報として定が生じている者
事定無学の人、色・無色の定を受く阿羅漢が定を受ける

三分類の意味

分類定の発生源修行の段階
善定意図的な修行修行中
報定過去の業の自動的果報果報として生まれた
事定修行完了後の自在な使用修行完了(阿羅漢)

核心: 同じ定でも、発生源が異なる。自分で起こしたのか(善定)、過去の業が起こしたのか(報定)、完成者が自在に使っているのか(事定)。


MODULE 8:六つの分類軸の総括

分類数基準問い
第一軸聖果の有無解脱に至るか?
第二軸善不善善か?
第三軸深浅表層か深層か?
第四軸覚観の有無思考が残っているか?
第五軸感受の種類何を感じているか?
第六軸発生源誰がどう起こしたか?

三層クロスリファレンス

本バッチの項目大安般守意経Kernel 4.x(無碍解道論)
世間定の十属性(有漏・有結…)MODULE 5:十二因縁エラーログ(全12フェーズが世間の構造)Vol.6:無常タグ貼付(全要素が世間に属する)
邪定=不善の一心MODULE 10:止観「悪未だ尽きざれば道を見ず」Vol.2:18のノイズ(邪定はノイズの中の集中)
外定と安定MODULE 5:止の4フェーズ(数止=外定、息心止=安定)Vol.3:信号サンプリング(浅い信号と深い信号)
有覚有観→無覚無観MODULE 2:数→随→止(粗い操作から微細な操作へ)Vol.3-4:信号の精細化(粗信号→微細信号→消滅)
喜→楽→捨MODULE 9:四定(喜の定→力の定→意の定→施の定)Vol.5:喜楽管理(高電圧→定常出力→中性)
善定・報定・事定MODULE 7:四神足(意図的起動)vs MODULE 6:神足仕様(自在)Vol.8:200+の智(完了後の自在な使用)

STATUS: Kernel Source / 実践者参照用 NOTE: 本バッチで6つの分類軸が提示された。定は一つの状態ではない。六つの軸で同時に位置づけられる多次元的な状態である。実践者にとって最も重要な軸は第二軸(邪定/正定)。集中の深さに関係なく、不善なら邪定であり「断つべし」。次に重要なのは第五軸(喜/楽/捨)。座っている時に自分が今どの感受の中にいるかを知ることで、禅の段階が分かる。


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