毘盧遮那五字眞言修習儀軌

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全文を書き下し文にいたします。


毘盧遮那念誦儀軌、書き下し文

三藏不空金剛 詔を奉りて譯す


夫れ毘盧遮那仏の法を修習成就せんとせば、先づ応に閑淨の処に於いて、瞿摩夷を以て地を塗り、香水もて散灑し、種種の名香を焼き、種種の時花を散ずべし。当に寂靜にして喧鬧を辦じ、清淨に澡浴して新淨の衣を著し、結跏趺坐し、或いは類に依りて坐すべし。

息災には吉祥坐にて北に面し、増益には蓮花坐にて東に面し、敬愛には金剛坐にて西に面し、降伏には蹲踞坐にて脚を以て脚を押し南に面す。愛樂する所に随ひて方に依りて坐せよ。

即ち香泥を以て手を塗り、頂上に於いて合掌して一切諸仏を禮敬す。然るに下方より風輪より起して嚩字を想ふ。二点を以て厳飾す。金の形の如く熾盛の光を放ち、威猛赫奕として金剛の火焔大地を壊破し、上に衝きて流出す。則ち此の金剛の火焔自身を焚焼するを想ふ。乃至灰謝するまで四種の法の色に随ふ。灰の曼拏羅と成るを想ふ。

即ち曼荼羅の中に於いて一蓮花を想ひ、蓮花の中に於いて嚩字を想ふ。転じて金剛の形と成る。己が身金剛の所成為るを想ひ、即ち三昧耶印を結ぶ。

二手もて三普吒掌を作し、二の大指を竪てて五処に加持す。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 阿三迷怛哩三迷三摩曳莎嚩訶


次に法界印を結ぶ。二手もて拳を作し、二の大指を掌中に在きて竪て、二の頭指をして囉字を頂上に想ひ、眞實の義を思惟す。一切の法塵不可得なり。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 達摩馱都娑嚩婆嚩倶


次に輪印を結ぶ。二手反りて相叉し、二の大指を右手の掌中に在きて相著く。自身を金剛薩埵と為るを観じ、合して以て加持す。眞言に曰く、

那謨三曼多嚩日囉喃 嚩日囉怛摩倶唅


次に甲冑印を結ぶ。二手もて三普吒掌を作し、二の頭指を屈して中指の背の上節に拄し、二の大指並びに竪てて合し掌に在きて五処を印す。眞言に曰く、

那謨三曼多嚩日囉喃 嚩日羅迦嚩遮吽


則ち自身の前に於いて大蓮華王を想ひ、蓮華の中に金色の佉字を想ふ。其の佉字転じて婆伽梵大勤勇尊と成り、三摩地に住して劍印を結ぶ。

即ち如来鉤印を結びて本尊を奉請す。二を内に相叉して拳を作し、右の頭指を竪てて鉤の如く身に向ひて之を招く。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 噁薩囉嚩怛囉鉢羅底訶多怛他蘖倶舍冐地者哩耶鉢哩布囉迦娑嚩訶


聖衆来たり已れば、即ち閼伽を奉る。二手もて捧げて額に当て、聖衆を浴するを想ふ。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 哦哦那三摩三摩娑嚩訶


次に敷座印を献ず。二手虚心に合掌し、散じて六指を舒べ屈して蓮花の形の如くす。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 噁


次に聖不動尊印を結ぶ。二手各おの拳を作し、各おの頭指中指を竪て、各おの二の大指を以て無名指小指を押す。左手を鞘と為し、右手を刀と為す。刀を以て左旋転して諸の魔障を辟除し、右旋転及び上下して方隅の界を成ず。眞言に曰く、

那謨三曼多嚩日羅赧 戰拏摩訶嚧灑拏薩叵吒耶吽怛囉吒


復た刀印を以て香花に触れて無垢を求め淨ならしめ、以て加護を成し鞘の中に置く。


次に毘盧遮那五字劍印を結ぶ。二手合掌して二の頭指を屈して相著け、劍の形の如くす。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 阿尾囉吽欠


次に塗香印を結ぶ。右手の掌を外に向け、左手を以て右手の腕を握りて環の如くす。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 尾躓馱巘塗納婆吠娑嚩訶


次に花印を結ぶ。二手内に相叉し、掌を仰げて頭指著け、二の大指を頭指の下節に安ず。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 摩訶毎怛哩耶毘愈娜蘖底娑嚩訶


次に焼香印を結ぶ。二手の中指・無名指・小指の背を合して竪て、頭指直に竪てて傾けて相合し、大指を頭指の下節に在く。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 達摩馱覩嚩娜蘖帝莎嚩訶


次に飮食の眞言印を結ぶ。当に定惠を合し、掌の五輪互ひに相叉すべし。是れ則ち衆物を持する普通供養の印なり。

那謨三曼多沒馱喃 阿囉囉迦囉囉末隣捺那迷娑嚩訶


次に燈印を結ぶ。右手もて拳を作し、中指を直に竪て、頭指を屈して大指を捻り、中指に博附す。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 多他蘖多哩紙薩叵囉拏嚩婆娑那哦哦那烏馱哩耶娑嚩訶


所献の塗香・花鬘・焼香・飮食・燈明は、四種の法の色に随ひて以て供養す。五種の供養印に由りて、聖衆集会に於いて普遍の香花等の雲海供養を成ず。


次に圓滿印を結ぶ。二手虚心に合掌して頂上に安ず。眞言に曰く、

那謨三曼多沒馱喃 噁尾娑摩曳娑叵囉呬嚩怛他蘖跛哩刹曼荼羅摩摩本惹末禮拏怛他蘖多地瑟姹那末禮那遮迷娑嚩訶


此の眞言印に由りて香花等の雲海供養す。如実にして即ち五字を用ゐ、下の体より頂に至るまで布く。地・水・火・風・空なり。

即ち自身を金色の毘盧遮那仏の如く想ふ。遍く光明あり、頭に冠・瓔珞あり、身に紗縠の衣を著す。即ち劍印を結びて当心に安じ、三摩地に住す。

二手もて珠を持ち、掌中に合して眞言を誦すること七遍、加持して頂上に安ず。眞言に曰く、

唵吠盧者那摩羅娑嚩訶


然る後、二手を当心にして珠を持ちて本尊の眞言を念誦す。遍数畢り已れば、珠を掌中に安じ、頂上に合掌して迴向発願す。

「此の功徳を以て当に願はくは衆生速やかに毘盧遮那仏を證せん」

念珠を放ち已りて、然る後、定印を結ぶ。身を端し正しく坐して頂中に白色の闇字を想ひ、二目の瞳人の上に覽字を想ふ。即ち微かに頭を屈し、心を胸臆の閒に注して圓満の月輪を想ふ。月輪の上に五字を布列し、阿字を中央に在りて黄金色の如く想ふ。餘の四字は右旋して安ず。


五字眞實の義とは、

阿字は一切の法本より不生なるが故に。 尾字は思義、一切の法言説不可得なるが故に。 囉字は一切の法塵を離るるが故に。 訶字は一切の法因不可得なるが故に。 佉字は一切虚空の如く不可得なるが故に。

是を心念誦と名づく。


即ち劍印を結びて七遍誦し頂上に散ず。復た五供養印を結び、閼伽を献じ讃歎す。不動劍印を結びて左旋して界を解く。三昧印を結びて頂上に安じ三遍誦す。聖衆を奉送するを想ひ、仏を禮して起ち、意に随ひて経行す。大乗方広の経典を読誦し、福を以て一切衆生に迴施し、願はくは速やかに心の所求を圓満し、世間・出世間の悉地成就せんことを。


毘盧遮那念誦儀軌一卷


延享改元の夏、亡弟僧尊隆の遺財を用ゐて是の軌を刻み、以て其の宿志を遂げんとす。伏して祈らくは法乳永く法界を潤さんことを云ふ。藤原常香謹みて誌す。

時に延享元甲子秋八月念三、豊山にて無等讐校す。

毘盧遮那念誦儀軌一卷 漢文

三藏3不空金剛  4詔譯 
夫修習成就毘盧遮那佛法。先應於閑淨處
以瞿摩夷塗地。香水散灑燒種種名香。散種 
種時花。當於寂靜5辦喧鬧。清淨澡浴著新
淨衣結跏趺坐。或6依類而坐。息災吉祥7坐
面向北。増益蓮花*坐面向東。敬愛金剛*坐
面向西。降伏蹲踞*坐以脚押脚面向南。隨所
愛樂依方而坐。即以香泥塗手。於頂上合掌
禮敬一切諸佛。然於下方從風輪起想8嚩字。
以二點嚴飾。如9金形放熾盛光。威猛赫奕金
剛火焔壞破大地。上衝流出。則想此金剛火
焔焚燒自身。乃至灰10謝隨四種法色。想灰成
曼拏羅。即於曼荼羅中想一蓮花。於蓮花中 
想*嚩字。轉成金剛形。想己身爲金剛所成
即結三昧耶印 二手作三普吒掌。竪二大
指加持於五處。眞言曰
那謨三曼多沒馱喃阿三迷怛哩11二合三迷三
摩曳莎縛二合訶12引
次結法界印 二手作拳。二大指在掌中竪。
二頭指。想13囉字於頂上。思惟眞實義。一切
法塵不可得。眞言曰
那謨三曼多沒馱喃達14摩馱15都娑嚩婆嚩 
倶16
次結次輪印 二手反相叉。17二大指在右手
掌中相著。觀自身爲金剛薩埵。合以加持。眞
言曰
那謨三曼多*嚩日*囉二合喃*嚩日*囉二合
*引
怛摩倶唅
次結甲冑印 二手三普吒掌。二頭指屈18拄
中指背上節。二大指並竪合在掌印五處。眞
言曰
那謨三曼多嚩日囉二合喃*嚩日羅迦*嚩遮 

則於自身前想大蓮華王。於蓮華中想金色
佉字。其佉字轉成婆伽梵大勤勇尊。住之三
摩地結劍印。即結如來鉤印奉請本尊。19二内
相叉作拳。竪右頭指如鉤向身招之。眞言曰」
那謨三曼多沒馱喃20噁娑21囉嚩怛*囉鉢羅
底訶多怛多22蘖倶舍冐地者哩耶鉢哩布*囉
迦娑*嚩二合訶*引
聖衆來已。即奉閼伽 二手23捧當額想浴聖
衆眞言曰 
那謨三曼多沒馱喃哦哦那三摩三摩娑*嚩
二合訶*引
次獻敷座印 二手虚心合掌。散舒24屈六指
如蓮花形。眞言曰
那謨三曼多沒馱25喃噁
次結聖不動尊印 二手各作拳。各竪頭中
指。各以二大指押無名指小指。左手爲鞘。右
手爲刀。以刀左旋轉辟除諸魔障。右旋轉及
上下成方隅界。眞言曰 
那謨三曼多*嚩日羅二合赧戰拏摩訶嚧灑拏
薩叵吒耶吽怛26囉吒27
復以刀印觸香花28求無垢令淨。以成加護置
於鞘中
次結毘盧遮那五字劍印 二手合掌屈二頭
指相著。如劍形。眞言曰
那謨三曼多沒馱喃阿尾*囉吽欠
次結塗香印 右手掌向外。以左手。29握右手
腕如環。眞言曰
那謨三曼多沒馱*喃尾躓馱30巘塗納婆吠娑 
*嚩二合訶*引
次結花印 二手内相叉。仰掌頭指31著。二大
指安頭指下節。眞言曰
那謨三曼多沒馱*喃摩訶毎怛哩耶二合毘愈
二合娜蘖底娑*嚩二合訶*引
次結燒香印 二手中指無名指小指背合
竪。頭指直竪傾相合。大指在頭指下節。眞言

那謨三曼多沒馱*喃達摩馱32覩嚩娜蘖帝
1莎*嚩二合訶*引 
次結飮食2眞言印 當合定惠。掌五輪互相
叉。是則持衆物。普通供養印
那謨三曼多沒馱喃阿*囉*囉迦*囉*囉3末
隣捺那4迷娑*嚩二合訶*引
次結5燈印。右手作拳。中指直竪。頭指屈6大
捻。指博附中指。眞言曰
那謨三曼多沒馱*喃多他蘖多哩紙薩叵*囉
拏*嚩婆娑那哦哦那烏馱哩耶娑*嚩二合訶
*引 
所獻塗香花鬘燒香飮食燈明。隨四種法色。
而以供養。由五種供養印。成於聖衆集會普
遍香花等雲海供養
次結圓滿印。二手虚心合掌安於頂上。眞
言曰
那謨三曼多沒馱*喃噁尾娑摩曳娑叵*囉呬

*嚩怛他7蘖8跛哩9刹曼荼羅摩摩本惹*末
禮拏怛他蘖多地瑟姹那*末禮那遮迷娑*嚩
二合訶*引 
由此眞言印香花等雲海供養。如實10無即用
五字。從下體布至頂。地水火風空。即想自身
如金色毘盧遮那佛。11遍光明頭冠瓔珞身著
紗縠衣。即結劍印安於當心住三摩地。二手
持珠。合於掌中誦眞言七遍。加持安12於頂
上。眞言曰
唵吠盧者那摩羅娑*嚩二合訶*引
然後二手當心。持珠念誦本尊13言。遍數畢
14已。安珠於掌中。頂上合掌迴向發願。以此
功徳當願衆生速證毘盧遮那佛。放念珠已。 
然後結定印。端身正坐於15頂中想白色闇字。
於二目瞳人上想覽字。即微屈頭注心於胸
臆閒想圓16滿月輪。於月輪上布列五字。想阿
字在中央如黄金色。餘四字右旋而安
五字眞實義者
阿字一切法本不生故 尾字思義一切法言
説不可得故 *囉字一切法離塵故 訶字一
切法因不可得故 佉字一17切如虚空18不可
得故。名爲心念誦 
即結劍印誦七遍頂上散。復結五供養印。獻
閼伽讃歎。結不19動劍印。左旋解界。結三20昧
印安於頂上誦三遍。想奉送聖衆。禮佛而起
隨意經行。讀誦大乘方廣經典。以福迴施一
切衆生願速圓滿心所求。世閒出世閒悉地
成就也
毘盧遮那念誦21一卷
  22延享改元夏用亡弟僧尊隆遺財而刻是軌
以遂其宿志伏祈法乳永潤法界云 藤原
常香謹誌 
時延享元甲子秋八月念三豐山無等讐挍

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Hinomaru Bentou
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