関数名:mandala_construction() 開始フレーズ:「問う、地に幾種あるや」 終了フレーズ:「地において最勝とす。かくの如く先師の説く所なり」 巻:第四巻 行門品第八の一 位置づけ:地一切入の物理的・作法的基盤。相を取るための外的装置の仕様
MODULE 1:地の二種
核心:地には自相の地と造作の地の二種がある。初学者が業処として用いるのは、造作の地のみ。
| # | 種別 | 内容 | 初学者の扱い |
|---|---|---|---|
| 1 | 自相の地 | 堅さを本質とする本来の地界 | 作意せず |
| 2 | 造作の地 | 手で掘り、または人に掘らせて造った地 | これを用いる |
注記:自相の地は物理学的な「地の四大(堅性)」そのもの。これを観ると、地界の観察(四大観)になってしまい、地一切入の彼分相が起こらない。
MODULE 2:造作の地における色の選別
核心:造作の地は四色を持つ(白・黒・赤・明色)。このうち白・黒・赤は除き、明色(土の自然色)を用いる。
| 色 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 白 | 除く | 色一切入(白)の修になってしまう |
| 黒 | 除く | 色一切入(黒)の修になってしまう |
| 赤 | 除く | 色一切入(赤)の修になってしまう |
| 明色(土色) | 用いる | 地の自性が現れる色 |
設計原理:自相の地は堅性そのものゆえに排除される。白・黒・赤は他業処との混同ゆえに排除される。残るのは「明相の現ずる時の如き」土色のみ。二重の排除によって、地相が純化される。
MODULE 3:不作地(ふさくち)の要件
核心:不作地(既存の平地)も地相の対象になりうるが、新学者は使わない。旧参のみが使える。
| # | 要件 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 処々平坦 | 表面が平ら |
| 2 | 草莽を離る | 草が生えていない |
| 3 | 株杌なし | 切り株がない |
| 4 | 眼境に心起る | 目の範囲で心が起動する |
使い分け:
- 旧参の坐禅人:楽・不楽に随いて即ち彼分の地相を見、不退に住す → 不作地で可
- 新学の初禅:作地の相を取りて曼陀羅を作し、非作地を観ぜず → 造作の曼陀羅を作る必要
MODULE 4:曼陀羅作成の場所条件
核心:曼陀羅を作る場所には五条件ある。寂寂・光遮・人跡離・一尋距・清潔。
| # | 条件 | 具体 |
|---|---|---|
| 1 | 寂寂の観 | 最初から寂寂を観ずる場 |
| 2 | 場所の選定 | 寺舎・石室・樹下 |
| 3 | 光遮 | 幽闇にして日光の無き処 |
| 4 | 人跡離 | 人の行路に非ざる処 |
| 5 | 一尋距 | 周囲一尋(約1.8m)を遠ざけ |
清掃:洒掃して清潔にし、地を燥かし掃く。明相現時のごとく土色と地性を相発起させる。
MODULE 5:曼陀羅作成の物理的手順
核心:曼陀羅は土と水を混ぜ、泥を塗り、円を作り、異色で縁取る。七段階の工程。
| 段階 | 工程 |
|---|---|
| 1 | 調適を籌量し、威儀恭敬して器物を取る |
| 2 | 水を以て土に和す |
| 3 | 草杌を刪去し糞芥を却除 |
| 4 | 衣帊を取り泥滓を済漉 |
| 5 | 浄潔の地において坐処を障蔽し禅窟を安置 |
| 6 | 遠からず近からず、規(ぶんまわし)を以て円を作り、泥で塗る |
| 7 | 燥くまで覆い守護し、異色で外を界する |
距離:遠からず近からず──Batch 04 で「軛の如く尋の如く」と具体化される。
MODULE 6:曼陀羅の大きさと形
核心:曼陀羅は複数の大きさと形が許されるが、円形が最勝。地が最勝。
| 要素 | 可能な選択 | 最勝 |
|---|---|---|
| 大きさ | 米篩の大きさ/一掻牢の大きさ | ─ |
| 形 | 円/方/三角/四角 | 円 |
| 基材 | 地/衣/板/壁 | 地 |
原文の判定:「本師の説く所、円を最勝として曼陀羅を作す」。「地において最勝とす。かくの如く先師の説く所なり」。
二重の最勝判定:形のなかでは円が最勝、基材のなかでは地が最勝。地+円の組み合わせが最も推奨される。
MODULE 7:発見パターン──二重の排除による純化
核心:曼陀羅作成の全体設計は「排除による純化」。何を用いるかではなく、何を除くかで地相が純化される。
| 排除の層 | 内容 |
|---|---|
| 第一層 | 自相の地を排除(地界観察にならないため) |
| 第二層 | 白・黒・赤を排除(色一切入と混同しないため) |
| 第三層 | 異色を外に界する(他の相が混入しないため) |
| 第四層 | 光遮・人跡離(外的刺激を排除) |
発見ログへの接続:
- 発見1.1(拡張と圧縮のベクトル対立):本バッチは「排除による純化」という第三のベクトル
- 発見1.4(雛形提示型の設計):「円を最勝として曼陀羅を作す」──他業処にも応用される雛形
三層クロスリファレンス
| 本バッチ(曼陀羅の作法) | 大安般守意経 | Kernel 4.x |
|---|---|---|
| 地の二種(自相・造作) | MODULE 4(数息のパラメータとエラー定義) | Vol.3(信号サンプリングとプロセス因果トレース) |
| 曼陀羅作成の物理的手順 | MODULE 2(六事コマンド:数→随→止→観→還→浄) | Vol.4(全リソースマウントと信号精細化) |
| 光遮・人跡離・一尋距 | MODULE 1(安般守意のシステム定義) | Vol.2(18のノイズ除去) |
| 円を最勝とする判定 | MODULE 7(四神足エンジン構成) | Vol.0(シリーズインデックス) |
STATUS / NOTE
実践者向け要点:
- 曼陀羅作成は単なる準備ではなく、排除による純化のプロセス
- 初学者は不作地(既存の自然の地)を使わず、必ず造作の曼陀羅を用いる
- 土色以外(白・黒・赤)は他業処との混同を生むため禁忌
- 物理的装置の準備は、心的装置の準備と同型。外を整えることで内が整う
- 現代の実践者は、物理的曼陀羅を作らず視覚化だけで済ませようとしがちだが、原典は物理的作成を明示する
第四巻固有の注意点:
- 本バッチで確立される「排除による純化」は、他の一切入(水・火・風・色)でも類似の構造を持つはず
- Batch 04 で「軛の如く尋の如く」の距離が具体化される
- Batch 06 で曼陀羅の相を虚空に拡張する(一切入の増長)
継承事項:
- 第二巻の頭陀品で生活が簡素化された(持物・食・場所の簡素化)
- 本バッチはその簡素化の延長。曼陀羅の周囲から余計なものを排除する
- 第三巻 Batch 01 の「阿闍梨に依止し、数日を以て其の行を観る」における師の観察が、本バッチの場所選定と対応する(師の観察も場所の選定も、余計なものを排除する作業)
次バッチ予告:

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