小しょう品ほん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ經きょう 卷かん第だい十じゅう
後ご秦しん龜き茲じ國こく三さん藏ぞう鳩く摩ま羅ら什じゅう譯やく
薩さっ陀た波は崙ろん品ほん 第だい二に十じゅう七しち
佛ぶつ告ごう須しゅ菩ぼ提だい。
「若にゃく菩ぼ薩さつ欲よく求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。當とう如にょ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ今こん在ざい雷らい音おん威い王おう佛ぶつ所しょ行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう」
須しゅ菩ぼ提だい白びゃく佛ぶつ言ごん。
「世せ尊そん。薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ云うん何が求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。」
佛ぶつ告ごう須しゅ菩ぼ提だい。
「薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ本ほん求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ時じ。不ふ依え世せ事じ。不ふ惜しゃく身しん命みょう。不ふ貪とん利り養よう。於お空くう林りん中ちゅう聞もん空くう中ちゅう聲しょう言ごん。
『善ぜん男なん子し。汝にょ從じゅう是ぜ東とう行ぎょう當とう得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
行ぎょう時じ莫まく念ねん疲ひ倦けん。莫まく念ねん睡すい眠みん。莫まく念ねん飮おん食じき。莫まく念ねん晝ちゅう夜や。莫まく念ねん寒かん熱ねつ。
如にょ是ぜ諸しょ事じ。莫まく念ねん莫まく觀かん亦やく莫まく思し惟ゆい。
離り諂てん曲ごく心しん。莫まく自じ高こう身しん卑ひ下げ他た人にん。
當とう離り一いっ切さい衆しゅ生じょう之し相そう。當とう離り一いっ切さい利り養よう名みょう譽よ。
當とう離り五ご蓋がい當とう離り慳けん嫉しつ。
亦やく莫まく分ふん別べつ内ない法ほう外げ法ほう。行ぎょう時じ莫まく得とく左さ右う顧こ視し。
莫まく念ねん前ぜん莫まく念ねん後ご。莫まく念ねん上じょう莫まく念ねん下げ。莫まく念ねん四し維い。
莫まく動どう色しき受じゅ想そう行ぎょう識しき。何が以い故こ。
若にゃく動どう色しき受じゅ想そう行ぎょう識しき。則そく不ふ行ぎょう佛ぶつ法ほう。行ぎょう於お生しょう死じ。
如にょ是ぜ之し人にん。不ふ能のう得とく般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。』」
薩さっ陀た波は崙ろん報ほう空くう中ちゅう聲しょう言ごん。
「當とう如にょ教きょう行ぎょう。何が以い故こ。我が爲い一いっ切さい衆しゅ生じょう作さ光こう明みょう故こ。集じゅう諸しょ佛ぶつ法ほう。」
空くう中ちゅう聲しょう言ごん。
「善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し。汝にょ應おう信しん解げ空くう無む相そう無む作さ法ほう。應おう離り諸しょ相そう離り於お有う見けん離り衆しゅ生じょう見けん人にん見けん我が見けん。求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
善ぜん男なん子し。應おう離り惡あく知ち識しき親しん近ごん善ぜん知ち識しき。善ぜん知ち識しき者しゃ。能のう説せつ空くう無む相そう無む作さ無む生しょう無む滅めつ法ほう。
善ぜん男なん子し。汝にょ能のう如にょ是ぜ。不ふ久く得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。若にゃく從じゅう經きょう卷かん聞もん。若にゃく從じゅう法ほっ師し聞もん。
善ぜん男なん子し。汝にょ所しょ從じゅう聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。當とう於お是ぜ人にん生しょう大だい師し想そう。當とう知ち報ほう恩おん。
應おう作さ是ぜ念ねん。我が所しょ從じゅう聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。則そく是ぜ我が善ぜん知ち識しき。
我が得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。當とう不ふ退たい於お阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。不ふ離り諸しょ佛ぶつ。不ふ生しょう無む佛ぶつ世せ界かい。得とく離り諸しょ難なん。
思し惟ゆい如にょ是ぜ功く徳どく利り故こ。於お法ほっ師し所しょ生しょう大だい師し想そう。
善ぜん男なん子し。莫まく以い世せ俗ぞく財ざい利り心しん故こ隨ずい逐ちく法ほっ師し。當とう以い愛あい重じゅう恭く敬ぎょう法ほう故こ隨ずい逐ちく法ほっ師し。
又う善ぜん男なん子し。應おう覺かく魔ま事じ。惡あく魔ま或わく時じ爲い説せつ法ほう者しゃ作さ諸しょ因いん縁ねん。
令りょう受じゅ好こう妙みょう色しき聲しょう香こう味み觸そく。説せつ法ほう者しゃ以い方ほう便べん力りき故こ受じゅ是ぜ五ご欲よく。
汝にょ於お此し中ちゅう莫まく生しょう不ふ淨じょう之し心しん。應おう作さ念ねん言ごん。我が不ふ知ち方ほう便べん之し力りき。
法ほっ師し或わく爲い利り益やく衆しゅ生じょう令りょう種しゅ善ぜん根ごん故こ。受じゅ用ゆう是ぜ法ほう。諸しょ菩ぼ薩さつ者しゃ無む所しょ障しょう礙げ。
善ぜん男なん子し。汝にょ於お爾に時じ應おう觀かん諸しょ法ほう實じっ相そう。何が等とう是ぜ諸しょ法ほう實じっ相そう。
佛ぶつ説せつ一いっ切さい法ほう無む垢く。何が以い故こ。一いっ切さい法ほう性しょう空くう。一いっ切さい法ほう無む我が無む衆しゅ生じょう。
一いっ切さい法ほう如にょ幻げん如にょ夢む如にょ響こう如にょ影よう如にょ炎えん。
善ぜん男なん子し。汝にょ若にゃく如にょ是ぜ觀かん諸しょ法ほう實じっ相そう隨ずい逐ちく法ほっ師し。不ふ久く當とう善ぜん知ち般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
又う善ぜん男なん子し。復ぶ應おう覺かく知ち魔ま事じ。若にゃく法ほっ師し於お求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ者しゃ。心しん有う嫌けん恨こん而に不ふ顧こ録ろく。
汝にょ於お此し中ちゅう不ふ應おう憂う惱のう。但たん以い愛あい重じゅう恭く敬ぎょう法ほう心しん。隨ずい逐ちく法ほっ師し勿もつ生しょう厭えん離り。」
佛ぶつ告ごう須しゅ菩ぼ提だい。
「須しゅ菩ぼ提だい。薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ受じゅ虚こ空くう中ちゅう如にょ是ぜ教きょう已い即そく便べん東とう行ぎょう。
東とう行ぎょう不ふ久く復ぶ作さ是ぜ念ねん。
我が向こう者しゃ云うん何が不ふ問もん空くう中ちゅう聲しょう東とう行ぎょう遠おん近ごん。當とう從じゅう誰すい聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
即そく住じゅう不ふ行ぎょう憂う愁しゅ啼たい哭こく。作さ是ぜ念ねん言ごん。
『我が住じゅう於お此し。若にゃく一いち日にち二に日にち乃ない至し七しち日にち。不ふ念ねん疲ひ極ごく不ふ念ねん睡すい眠みん不ふ念ねん飮おん食じき不ふ念ねん晝ちゅう夜や不ふ念ねん寒かん熱ねつ。要よう當とう得とく知ち我が從じゅう誰すい聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。』
須しゅ菩ぼ提だい。譬ひ如にょ有う人にん。唯ゆい有う一いち子し愛あい之し甚じん重じゅう。一いっ旦たん命みょう終じゅう甚じん大だい憂う惱のう。唯ゆい懷え憂う惱のう無む有う餘よ念ねん。
須しゅ菩ぼ提だい。薩さっ陀た波は崙ろん亦やく如にょ是ぜ。無む有う餘よ念ねん。但たん念ねん我が當とう何が時じ得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
須しゅ菩ぼ提だい。薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ如にょ是ぜ憂う愁しゅ啼たい哭こく。時じ佛ぶつ像ぞう在ざい前ぜん立りゅう。讃さん言ごん。
『善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し。過か去こ諸しょ佛ぶつ本ほん行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ。求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。亦やく如にょ汝にょ今こん。
是ぜ故こ善ぜん男なん子し。汝にょ以い是ぜ勤ごん行ぎょう精しょう進じん愛あい樂ぎょう法ほう故こ從じゅう是ぜ東とう行ぎょう。
去こ此し五ご百ひゃく由ゆ旬じゅん有う城じょう名みょう衆しゅ香こう。七しっ寶ぽう合ごう成じょう。
其ご城じょう七しち重じゅう縱じゅう廣こう十じゅう二に由ゆ旬じゅん。皆かい以い七しっ寶ぽう多た羅ら之し樹じゅ。周しゅう遍へん圍い遶にょう。
豐ぶ樂ぎょう安あん靜じょう人にん民みん熾し盛じょう。街がい巷こう相そう當とう端たん嚴ごん如にょ畫が。橋きょう津しん如にょ地じ寛かん博ぱく清しょう淨じょう。
七しち重じゅう城じょう上じょう皆かい以い閻えん浮ぶ檀だ金ごん而に爲い樓ろう閣かく。
一いち一いち樓ろう閣かく七しっ寶ぽう行ぎょう樹じゅ種しゅ種じゅ寶ほう果か。
其ご諸しょ樓ろう閣かく次し第だい皆かい以い寶ほう繩じょう連れん綿めん。寶ほう鈴りょう羅ら網もう以い覆ふ城じょう上じょう。
風ふ吹すい鈴りょう聲しょう其ご音おん和わ雅げ。如にょ作さ五ご樂がく甚じん可か愛あい樂ぎょう。以い是ぜ音おん聲じょう娯ご樂らく衆しゅ生じょう。
其ご城じょう四し邊へん流る池ち清しょう淨じょう冷りょう煖なん調じょう適ちゃく。中ちゅう有う諸しょ船せん七しっ寶ぽう嚴ごん飾じき。
是ぜ諸しょ衆しゅ生じょう宿しゅく業ごう所しょ致ち。娯ご樂らく遊ゆ戲げ諸しょ池ち水すい中ちゅう種しゅ種じゅ蓮れん華げ。青しょう黄おう赤しゃく白びゃく衆しゅ雜ぞう好こう華け。
香こう色しき具ぐ足そく遍へん滿まん其ご上じょう。三さん千ぜん大だい千せん世せ界かい所しょ有う好こう華け悉しっ皆かい具ぐ有う。』
『其ご城じょう四し邊へん有う五ご百ひゃく園おん觀かん。七しっ寶ぽう莊しょう嚴ごん甚じん可か愛あい樂ぎょう。
一いち一いち園おん中ちゅう有う五ご百ひゃく池ち水すい。池ち水すい各かく各かく縱じゅう廣こう十じゅう里り。皆かい以い七しっ寶ぽう雜ぞう色しき莊しょう嚴ごん。
諸しょ池ち水すい中ちゅう皆かい有う青しょう黄おう赤しゃく白びゃく蓮れん花げ。大だい如にょ車しゃ輪りん彌み覆ふ水すい上じょう。
青しょう色しき青しょう光こう。黄おう色しき黄おう光こう。赤しゃく色しき赤しゃく光こう。白びゃく色しき白びゃく光こう。
諸しょ池ち水すい中ちゅう皆かい有う鳧ふ鴈がん鴛えん鴦おう異い類るい衆しゅ鳥ちょう。
是ぜ諸しょ園おん觀かん池ち沼しょう適ちゃく無む所しょ屬ぞく。皆かい是ぜ衆しゅ生じょう宿しゅく業ごう果か報ほう。長じょう夜や信しん樂ぎょう深じん法ほう行ぎょう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。福ふく徳とく所しょ致ち。』
『善ぜん男なん子し。衆しゅ香こう城じょう中ちゅう有う大だい高こう臺だい。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ宮く舍じゃ在ざい上じょう。
其ご宮く縱じゅう廣こう各かく五ご十じゅう里り。皆かい以い七しっ寶ぽう校きょう成じょう雜ぞう色しき莊しょう嚴ごん。其ご墻しょう七しち重じゅう皆かい亦やく七しっ寶ぽう。七しっ寶ぽう行ぎょう樹じゅ周しゅう匝そう圍い遶にょう。
其ご宮く舍じゃ中ちゅう有う四し園おん觀かん常じょう所しょ娯ご樂らく。一いち名みょう常じょう喜き。二に名みょう無む憂う。三さん名みょう華け飾じき。四し名みょう香こう飾じき。
一いち一いち園おん中ちゅう有う八はち池ち水すい。一いち名みょう爲い賢けん。二に名みょう賢けん上じょう。三さん名みょう歡かん喜ぎ。四し名みょう喜き上じょう。五ご名みょう安あん隱おん。六ろく名みょう多た安あん隱おん。七しち名みょう必ひつ定じょう。八はち名みょう阿あ毘び跋ばっ致ち。
諸しょ池ち水すい邊へん面めん各かく一いち寶ほう。黄おう金ごん白びゃく銀ごん琉る璃り玻は璃り玫まい瑰かい爲い底てい。金こん沙しゃ布ふ上じょう。
一いち一いち池ち側そく有う八はち梯たい階かい。種しゅ種じゅ寶ほう物もつ以い爲い梯たい磴とう諸しょ階かい陛へい間けん有う閻えん浮ぶ檀だ金ごん芭ば蕉しょう之し樹じゅ。
諸しょ池ち水すい中ちゅう。皆かい有う青しょう黄おう赤しゃく白びゃく蓮れん花げ。遍へん覆ふ其ご上じょう。鳧ふ鴈がん鴛えん鴦おう孔く雀じゃく衆しゅ鳥ちょう。鳴みょう聲しょう相そう和わ甚じん可か愛あい樂ぎょう。
諸しょ池ち水すい邊へん皆かい生しょう花け樹じゅ香こう樹じゅ。風ふ吹すい香こう華け墮だ池ち水すい中ちゅう。
其ご池ち成じょう就じゅ八はち功く徳どく水すい。香こう若にゃく栴せん檀だん色しき味み具ぐ足そく。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ與よ六ろく萬まん八はっ千せん婇さい女にょ。五ご欲よく具ぐ足そく共ぐ相そう娯ご樂らく。及ごう城じょう中ちゅう男なん女にょ倶ぐ入にゅう常じょう喜き等とう園おん賢けん等とう池ち中ちゅう。共ぐ相そう娯ご樂らく。』
「善ぜん男なん子し。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ與よ諸しょ婇さい女にょ遊ゆ戲げ娯ご樂らく已い。
日にち日にち三さん時じ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
衆しゅ香こう城じょう中ちゅう男なん女にょ大だい小しょう。爲い曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ於お其ご城じょう内ない多た聚じゅ人にん處しょ。敷ふ大だい法ほう座ざ。
其ご座ざ四し足そく。或わく以い黄おう金ごん或わく以い白びゃく銀ごん。或わく以い琉る璃り或わく以い玻は璃り。
敷ふ以い綩おん綖えん雜ぞう色しき茵いん蓐にく。以い迦か尸し白びゃく㲲じょう而に覆ふ其ご上じょう。
座ざ高こう五ご里り施せ諸しょ幃い帳ちょう。其ご地じ四し邊へん散さん五ご色しき華け燒しょう衆しゅ名みょう香こう。
供く養よう法ほう故こ。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ於お此し座ざ上じょう説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。」
『善ぜん男なん子し。彼ひ諸しょ人にん衆しゅ如にょ是ぜ供く養よう恭く敬ぎょう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ故こ。
於お是ぜ大だい會え百ひゃく千せん萬まん衆しゅ諸しょ天てん世せ人にん。一いっ處しょ集しゅう會え。
中ちゅう有う聽ちょう者しゃ中ちゅう有う受じゅ者しゃ中ちゅう有う持じ者しゃ。中ちゅう有う誦じゅ者しゃ中ちゅう有う書しょ者しゃ。
中ちゅう有う正しょう觀かん者しゃ中ちゅう有う如にょ説せつ行ぎょう者しゃ。
是ぜ諸しょ衆しゅ生じょう已い度ど惡あく道どう。皆かい不ふ退たい轉てん於お阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
善ぜん男なん子し。汝にょ從じゅう是ぜ去こ。當とう於お曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ世せ世せ是ぜ汝にょ善ぜん知ち識しき。示じ教きょう利り喜き汝にょ阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
善ぜん男なん子し。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ本ほん行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ。求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。亦やく如にょ汝にょ今こん。
今こん汝にょ東とう行ぎょう莫まく計けい晝ちゅう夜や。不ふ久く當とう得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。』
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ心しん大だい歡かん喜ぎ。
譬ひ如にょ有う人にん爲い毒どく箭せん所しょ中ちゅう。更きょう無む餘よ念ねん唯ゆい念ねん何が時じ當とう得とく良りょう醫い拔ばつ出すい毒どく箭せん除じょ我が此し苦く。
如にょ是ぜ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ無む有う餘よ念ねん。但たん念ねん何が時じ得とく見けん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ爲い我が説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。我が聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ斷だん諸しょ有う見けん。
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん即そく於お住じゅう處しょ一いっ切さい法ほう中ちゅう。生しょう無む決けつ定じょう想そう。入にゅう諸しょ三さん昧まい門もん。
所しょ謂い: 諸しょ法ほう性しょう觀かん三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ可か得とく三さん昧まい。破は諸しょ法ほう無む明みょう三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ異い三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ壞え三さん昧まい。
諸しょ法ほう照しょう明みょう三さん昧まい。諸しょ法ほう離り闇あん三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ相そう續ぞく三さん昧まい。諸しょ法ほう性しょう不ふ可か得とく三さん昧まい。
散さん華け三さん昧まい。不ふ受じゅ諸しょ身しん三さん昧まい。離り幻げん三さん昧まい。如にょ鏡きょう像ぞう三さん昧まい。
一いっ切さい衆しゅ生じょう語ご言ごん三さん昧まい。一いっ切さい衆しゅ生じょう歡かん喜ぎ三さん昧まい。隨ずい一いっ切さい善ぜん三さん昧まい。
種しゅ種じゅ語ご言ごん字じ句く莊しょう嚴ごん三さん昧まい。無む畏い三さん昧まい。性しょう常じょう默もく然ねん三さん昧まい。無む礙げ解げ脱だつ三さん昧まい。
離り塵じん垢く三さん昧まい。名みょう字じ語ご言ごん莊しょう嚴ごん三さん昧まい。一いっ切さい見けん三さん昧まい。一いっ切さい無む礙げ際さい三さん昧まい。
如にょ虚こ空くう三さん昧まい。如にょ金こん剛ごう三さん昧まい。無む負ぶ三さん昧まい。得とく勝しょう三さん昧まい。轉てん眼げん三さん昧まい。畢ひつ法ほう性しょう三さん昧まい。
得とく安あん隱おん三さん昧まい。師し子し吼く三さん昧まい。勝しょう一いっ切さい衆しゅ生じょう三さん昧まい。離り垢く三さん昧まい。無む垢く淨じょう三さん昧まい。
華け莊しょう嚴ごん三さん昧まい。隨ずい堅けん實じつ三さん昧まい。出すい諸しょ法ほう得とく力りき無む畏い三さん昧まい。通つう達だつ諸しょ法ほう三さん昧まい。壞え一いっ切さい法ほう印いん三さん昧まい。
無む差しゃ別べつ見けん三さん昧まい。離り一いっ切さい見けん三さん昧まい。離り一いっ切さい闇あん三さん昧まい。離り一いっ切さい相そう三さん昧まい。離り一いっ切さい著じゃく三さん昧まい。
離り一いっ切さい懈け怠たい三さん昧まい。深じん法ほう照しょう明みょう三さん昧まい。善ぜん高こう三さん昧まい。不ふ可か奪だつ三さん昧まい。破は魔ま三さん昧まい。生しょう光こう明みょう三さん昧まい。見けん諸しょ佛ぶつ三さん昧まい。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ住じゅう是ぜ諸しょ三さん昧まい中ちゅう。即そく見けん十じゅう方ほう諸しょ佛ぶつ爲い諸しょ菩ぼ薩さつ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。諸しょ佛ぶつ各かく各かく安あん慰い讃さん言ごん。
『善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し。我が等とう本ほん行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。亦やく如にょ汝にょ今こん。
得とく是ぜ諸しょ三さん昧まい。亦やく如にょ汝にょ今こん。得とく是ぜ諸しょ三さん昧まい已い了りょう達だつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。住じゅう阿あ毘び跋ばっ致ち地じ。
我が等とう得とく是ぜ諸しょ三さん昧まい故こ。得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
善ぜん男なん子し。是ぜ爲い般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。所しょ謂い於お諸しょ法ほう無む所しょ念ねん。
我が等とう住じゅう於お無む念ねん法ほう中ちゅう。得とく如にょ是ぜ金こん色しき之し身しん三さん十じゅう二に相そう大だい光こう明みょう不ふ可か思し議ぎ智ち慧え諸しょ佛ぶつ無む上じょう三さん昧まい無む上じょう智ち慧え。盡じん諸しょ功く徳どく邊へん。
如にょ是ぜ功く徳どく諸しょ佛ぶつ説せつ之し猶ゆ不ふ能のう盡じん。況きょう聲しょう聞もん辟びゃく支し佛ぶつ。
是ぜ故こ善ぜん男なん子し。汝にょ於お是ぜ法ほう倍ばい應おう恭く敬ぎょう愛あい重じゅう生しょう清しょう淨じょう心しん。得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。不ふ足そく爲い難なん。
汝にょ於お善ぜん知ち識しき。應おう深じん恭く敬ぎょう愛あい重じゅう信しん樂ぎょう。
善ぜん男なん子し。若にゃく菩ぼ薩さつ爲い善ぜん知ち識しき所しょ護ご念ねん者しゃ。疾しつ得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。』」
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ白びゃく諸しょ佛ぶつ言ごん。
「何が等とう是ぜ我が善ぜん知ち識しき。」
諸しょ佛ぶつ答とう言ごん。
「善ぜん男なん子し。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ世せ世せ教きょう誨け成じょう就じゅ汝にょ於お阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
令りょう汝にょ得とく學がく般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん之し力りき。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ是ぜ汝にょ善ぜん知ち識しき。汝にょ應おう報ほう恩おん。
善ぜん男なん子し。汝にょ若にゃく於お一いち劫こう若にゃく二に劫こう三さん劫こう。乃ない至し百ひゃく劫こう若にゃく過か百ひゃく劫こう頂ちょう戴たい恭く敬ぎょう以い一いっ切さい樂らく具ぐ而に供く養よう之し。
若にゃく以い三さん千ぜん大だい千せん世せ界かい妙みょう好こう色しき聲しょう香こう味み觸そく。盡じん以い供く養よう。亦やく未み能のう報ほう須しゅ臾ゆ之し恩おん。
何が以い故こ。以い曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ因いん縁ねん力りき故こ。令りょう汝にょ得とく如にょ是ぜ諸しょ深じん三さん昧まい。及ごう聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん。」
佛ぶつ告ごう須しゅ菩ぼ提だい。
「諸しょ佛ぶつ如にょ是ぜ。教きょう授じゅ安あん慰い薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ已い。忽こつ然ねん不ふ現げん。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ從じゅう三さん昧まい起き不ふ見けん諸しょ佛ぶつ。作さ是ぜ念ねん。
是ぜ諸しょ佛ぶつ向こう從じゅう何が來らい今こん至し何が所しょ。
不ふ見けん佛ぶつ故こ即そく大だい憂う愁しゅ。作さ是ぜ念ねん。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ已い得とく陀だ羅ら尼に諸しょ神じん通ずう力りき。已い曾ぞう供く養よう過か去こ諸しょ佛ぶつ。
世せ世せ爲い我が善ぜん知ち識しき。常じょう利り益やく我が。我が至し曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ。當とう問もん諸しょ佛ぶつ從じゅう何が所しょ來らい去こ至し何が所しょ。
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ於お曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。益やく加か愛あい重じゅう恭く敬ぎょう信しん樂ぎょう。作さ如にょ是ぜ念ねん。
我が今こん貧びん窮ぐ。無む有う華け香こう瓔よう珞らく燒しょう香こう塗ず香こう衣え服ぶく幡ばん蓋がい金こん銀ごん眞しん珠じゅ玻は璃り珊さん瑚ご。
無む有う如にょ是ぜ諸しょ物もつ可か以い供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
我が今こん不ふ應おう空くう往おう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ。我が若にゃく空くう往おう心しん則そく不ふ安あん。
當とう自じ賣まい身しん以い求ぐ財ざい物もつ。爲い般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ故こ。供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
何が以い故こ。我が世せ世せ已い來らい喪そう身しん無む數しゅ。於お無む始し生しょう死じ中ちゅう。爲い欲よく因いん縁ねん故こ。
在ざい於お地じ獄ごく受じゅ無む量りょう苦く。未み曾ぞう爲い是ぜ清しょう淨じょう之し法ほう。
是ぜ時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ中ちゅう道どう入にゅう一いち大だい城じょう至し市し肆し上じょう。高こう聲しょう唱しょう言ごん。
『誰すい欲よく須しゅ人にん誰すい欲よく須しゅ人にん。』
爾に時じ惡あく魔ま作さ是ぜ念ねん。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ爲い愛あい法ほう故こ欲よく自じ賣まい身しん以い供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん。云うん何が菩ぼ薩さつ行ぎょう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
疾しつ得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。亦やく得とく多た聞もん如にょ大だい海かい水すい。
不ふ爲い諸しょ魔ま所しょ壞え。能のう盡じん一いっ切さい諸しょ功く徳どく邊へん。於お此し利り益やく無む量りょう衆しゅ生じょう。
是ぜ諸しょ衆しゅ生じょう出すい我が境きょう界がい。得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。我が今こん當とう往おう壞え其ご道どう意い。
即そく時じ惡あく魔ま隱おん蔽へい諸しょ人にん。乃ない至し不ふ令りょう一いち人にん得とく聞もん唱しょう聲しょう。唯ゆい一いち長じょう者しゃ女にょ魔ま不ふ能のう蔽へい。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ賣まい身しん不ふ售しゅう。在ざい一いっ處しょ立りゅう流る涙るい而に言ごん。
『我が爲い大だい罪ざい故こ。欲よく自じ賣まい身しん供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。而に無む買まい者しゃ。』
爾に時じ釋しゃく提だい桓がん因いん作さ是ぜ念ねん。
我が今こん當とう試し是ぜ善ぜん男なん子し實じつ以い深じん心しん爲い愛あい法ほう故こ捨しゃ是ぜ身しん不ふ。
即そく化け作さ婆ば羅ら門もん。在ざい薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ邊へん行ぎょう。問もん言ごん。
『善ぜん男なん子し。汝にょ今こん何が故こ憂う愁しゅ啼たい哭こく。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『我が以い貧びん窮ぐ無む有う財ざい寶ほう。欲よく自じ賣まい身しん供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。而に無む買まい者しゃ。』
婆ば羅ら門もん言ごん。
『善ぜん男なん子し。我が不ふ須しゅ人にん。今こん欲よく大だい祠し當とう須しゅ人にん心しん人にん血けつ人にん髓ずい。能のう與よ我が不ふ。』
薩さっ陀た波は崙ろん自じ念ねん。
我が得とく大だい利り。定じょう當とう得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん。以い婆ば羅ら門もん欲よく買まい心しん血けつ髓ずい故こ。
即そく大だい歡かん喜ぎ語ご婆ば羅ら門もん。
『汝にょ所しょ須しゅ者しゃ盡じん當とう相そう與よ。』
婆ば羅ら門もん言ごん。
『汝にょ須しゅ何が價け。』
答とう言ごん。
『隨ずい汝にょ所しょ與よ。』
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ即そく執しゅう利り刀とう刺し右う臂ひ出すい血けつ。復ぶ割かつ右う髀ひ欲よく破は骨こつ出すい髓ずい。
時じ一いち長じょう者しゃ女にょ在ざい閣かく上じょう遙よう見けん薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ刺し臂ひ出すい血けつ割かつ其ご右う髀ひ復ぶ欲よく破は骨こつ出すい髓ずい。作さ是ぜ念ねん。
(此し善ぜん男なん子し何が因いん縁ねん故こ困こん苦く其ご身しん。我が當とう往おう問もん。)
時じ長じょう者しゃ女にょ即そく便べん下げ閣かく到とう薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ所しょ。問もん言ごん。
『善ぜん男なん子し。何が因いん縁ねん故こ困こん苦く其ご身しん。用ゆう是ぜ血けつ髓ずい爲い。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『賣まい與よ婆ば羅ら門もん。供く養よう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。』
長じょう者しゃ女にょ言ごん。
『善ぜん男なん子し。汝にょ賣まい血けつ髓ずい供く養よう是ぜ人にん得とく何が等とう利り。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『是ぜ人にん當とう爲い我が説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん力りき。我が隨ずい中ちゅう學がく當とう得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
金こん色しき之し身しん三さん十じゅう二に相そう。常じょう光こう無む量りょう光こう。大だい慈じ大だい悲ひ大だい喜き大だい捨しゃ。
十じゅう力りき四し無む所しょ畏い四し無む礙げ智ち十じゅう八はち不ふ共ぐ法ほう。
六ろく神じん通ずう不ふ可か思し議ぎ清しょう淨じょう戒かい品ほん定じょう品ほん智ち慧え品ほん解げ脱だつ品ほん解げ脱だつ知ち見けん品ほん。
得とく佛ぶつ無む上じょう智ち慧え無む上じょう法ほう寶ほう。分ふん布ふ施せ與よ一いっ切さい衆しゅ生じょう。』
時じ長じょう者しゃ女にょ語ご薩さっ陀た波は崙ろん。
『汝にょ所しょ説せつ者しゃ。甚じん爲い希け有う微み妙みょう第だい一いち。爲い一いち一いち法ほう。乃ない可か應おう捨しゃ恒ごう河が沙しゃ身しん。
善ぜん男なん子し。汝にょ今こん所しょ須しゅ金こん銀ごん眞しん珠じゅ琉る璃り頗は梨り琥こ珀はく珊さん瑚ご諸しょ好こう珍ちん寶ほう。及ごう華け香こう瓔よう珞らく幡ばん蓋がい衣え服ぶく。
盡じん當とう相そう與よ供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。莫まく自じ困こん苦く。
我が今こん亦やく欲よく隨ずい汝にょ至し曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ種しゅ諸しょ善ぜん根ごん。爲い得とく如にょ是ぜ清しょう淨じょう法ほう故こ。』
爾に時じ釋しゃく提だい桓がん因いん即そく復ぶ其ご身しん。在ざい薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ前ぜん立りゅう。作さ是ぜ言ごん。
『善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し汝にょ心しん堅けん固こ愛あい法ほう如にょ是ぜ。過か去こ諸しょ佛ぶつ行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ。亦やく如にょ汝にょ今こん。
求ぐ聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん。得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
善ぜん男なん子し。我が實じつ不ふ須しゅ人にん心しん血けつ髓ずい。故こ來らい相そう試し。汝にょ願がん何が等とう當とう以い相そう與よ。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『與よ我が阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。』
釋しゃく提だい桓がん因いん言ごん。
『我が無む此し也や。諸しょ佛ぶつ世せ尊そん乃ない能のう辦べん之し。更きょう求ぐ餘よ願がん當とう以い相そう與よ。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『汝にょ於お此し中ちゅう若にゃく無む力りき者しゃ。還げん使し我が身しん平びょう復ぶ如にょ故こ。』
薩さっ陀た波は崙ろん身しん即そく平びょう復ぶ無む有う瘡そう𤻧はん。於お是ぜ釋しゃく提だい桓がん因いん忽こつ然ねん不ふ現げん。
時じ長じょう者しゃ女にょ語ご薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ言ごん。
『可か至し我が舍しゃ。當とう白びゃく父ぶ母も求ぐ索しゃく財ざい寶ほう。爲い聞もん法ほう故こ。供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。』
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ與よ長じょう者しゃ女にょ倶ぐ到とう其ご舍しゃ。長じょう者しゃ女にょ入にゅう白びゃく父ぶ母も言ごん。
『與よ我が華け香こう瓔よう珞らく種しゅ種じゅ衣え服ぶく及ごう諸しょ寶ほう物もつ。
願がん聽ちょう我が身しん并びょう先せん所しょ給こう五ご百ひゃく侍じ女にょ與よ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ共ぐ往おう供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ當とう爲い我が説せつ法ほう。以い是ぜ法ほう故こ。我が等とう當とう得とく諸しょ佛ぶつ之し法ほう。』
父ぶ母も語ご女にょ。
『薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ。今こん在ざい何が處しょ。』
女にょ言ごん。
『今こん在ざい門もん外げ。是ぜ人にん發ほつ心しん求ぐ阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。欲よく度ど一いっ切さい衆しゅ生じょう生しょう死じ苦く惱のう。
爲い愛あい法ほう故こ欲よく自じ賣まい身しん而に無む買まい者しゃ。憂う愁しゅ啼たい哭こく立りゅう在ざい一いっ處しょ。作さ是ぜ言ごん。我が欲よく賣まい身しん而に無む買まい者しゃ。
時じ一いち婆ば羅ら門もん。作さ是ぜ言ごん。汝にょ今こん何が故こ。欲よく自じ賣まい身しん。
答とう言ごん。我が愛あい法ほう故こ。欲よく供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。我が當とう從じゅう彼ひ得とく諸しょ佛ぶつ法ほう。
婆ば羅ら門もん言ごん。我が不ふ須しゅ人にん。今こん欲よく大だい祠し。當とう須しゅ人にん心しん人にん血けつ人にん髓ずい。
即そく時じ是ぜ人にん心しん大だい歡かん喜ぎ。手しゅ執しゅう利り刀とう刺し臂ひ出すい血けつ復ぶ割かつ右う髀ひ。欲よく破は骨こつ出すい髓ずい。
我が在ざい閣かく上じょう遙よう見けん此し事じ。心しん自じ念ねん言ごん。是ぜ人にん何が故こ困こん苦く其ご身しん。當とう往おう問もん之し。
我が即そく往おう問もん。答とう我が言ごん。我が以い貧びん窮ぐ無む有う財ざい寶ほう。欲よく賣まい心しん血けつ髓ずい與よ婆ば羅ら門もん。
我が時じ問もん言ごん。善ぜん男なん子し。持じ是ぜ財ざい物もつ欲よく作さ何が等とう。答とう我が言ごん。爲い愛あい法ほう故こ供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
我が復ぶ問もん言ごん。善ぜん男なん子し。汝にょ於お是ぜ中ちゅう得とく何が等とう利り。答とう我が言ごん。我が於お是ぜ中ちゅう當とう得とく無む量りょう不ふ可か思し議ぎ功く徳どく之し利り。
我が聞もん是ぜ無む量りょう不ふ可か思し議ぎ諸しょ佛ぶつ功く徳どく。心しん大だい歡かん喜ぎ作さ是ぜ念ねん。是ぜ善ぜん男なん子し。甚じん爲い希け有う。乃ない能のう自じ受じゅ如にょ是ぜ苦く惱のう。爲い愛あい法ほう故こ尚しょう能のう捨しゃ身しん。我が當とう云うん何が不ふ供く養よう法ほう。我が今こん多た有う財ざい物もつ。於お是ぜ事じ中ちゅう當とう發ほつ大だい願がん。
我が時じ語ご言ごん。善ぜん男なん子し。汝にょ莫まく如にょ是ぜ困こん苦く其ご身しん。我が當とう多た與よ財ざい物もつ供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。我が亦やく隨ずい汝にょ至し曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ欲よく自じ供く養よう。我が亦やく欲よく得とく無む上じょう佛ぶつ法ほう。
如にょ上じょう所しょ説せつ。父ぶ母も今こん當とう聽ちょう我が隨ずい是ぜ善ぜん男なん子し及ごう給こう財ざい物もつ供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。』
父ぶ母も報ほう言ごん。
『汝にょ所しょ讃さん者しゃ希け有う難なん及ごう。是ぜ人にん一いち心しん念ねん法ほう。一いっ切さい世せ界かい勝しょう最さい第だい一いち。必ひつ能のう安あん樂らく一いっ切さい衆しゅ生じょう。是ぜ人にん能のう求ぐ難なん事じ。我が今こん聽ちょう汝にょ隨ずい去こ。我が等とう亦やく欲よく見けん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。』
是ぜ女にょ爲い供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ故こ。白びゃく父ぶ母も言ごん。
『我が不ふ敢かん斷だん人にん功く徳どく。』
是ぜ女にょ即そく時じ莊しょう嚴ごん五ご百ひゃく乘じょう車しゃ。敕ちょく五ご百ひゃく侍じ女にょ亦やく皆かい莊しょう嚴ごん。
持じ種しゅ種じゅ色しき華け種しゅ種じゅ色しき衣え種しゅ種じゅ雜ぞう香こう末まつ香こう塗ず香こう金こん銀ごん寶ほう華け種しゅ種じゅ雜ぞう色しき妙みょう好こう瓔よう珞らく諸しょ美み飮おん食じき。
與よ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ各かく載さい一いち車しゃ。五ご百ひゃく侍じ女にょ恭く敬ぎょう圍い繞にょう漸ぜん漸ぜん東とう行ぎょう。
遙よう見けん衆しゅ香こう城じょう。其ご城じょう七しち重じょう七しっ寶ほう莊しょう嚴ごん甚じん可か愛あい樂ぎょう。有う七しち重じょう塹せん七しち重じょう行ぎょう樹じゅ。
其ご城じょう縱じゅう廣こう十じゅう二に由ゆ旬じゅん。豐ぶ樂ぎょう安あん靜じょう人にん民みん熾し盛じょう。五ご百ひゃく街がい巷こう端たん嚴ごん如にょ畫が。橋きょう津しん如にょ地じ寛かん博ぱく清しょう淨じょう。
見けん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。於お城じょう中ちゅう央おう法ほう座ざ上じょう坐ざ。無む量りょう百ひゃく千せん萬まん衆しゅ圍い繞にょう説せつ法ほう。
心しん即そく歡かん喜ぎ。譬ひ如にょ比び丘く得とく第だい三さん禪ぜん。見けん已い作さ是ぜ念ねん。
(我が等とう不ふ應おう載さい車しゃ趣しゅ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。)
即そく皆かい下げ車しゃ歩ぶ進しん。薩さっ陀た波は崙ろん與よ五ご百ひゃく侍じ女にょ恭く敬ぎょう圍い繞にょう。各かく持じ種しゅ種じゅ莊しょう嚴ごん諸しょ物もつ。
倶ぐ詣げ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ有う七しっ寶ほう臺だい牛ぐ頭ず栴せん檀だん而に以い校きょう飾じき。
眞しん珠じゅ羅ら網もう寶ほう鈴りょう間けん錯しゃく。四し角かく各かく懸けん明みょう珠じゅ以い爲い光こう明みょう。有う四し白びゃく銀ごん香こう爐ろ。燒しょう黒こく沈じん水すい。
供く養よう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。其ご寶ほう臺だい中ちゅう有う七しっ寶ほう大だい床じょう。床じょう上じょう有う四し寶ほう函がん。
以い眞しん金こん鍱よう書しょ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。置ち是ぜ函がん中ちゅう。其ご臺だい四し邊へん垂すい諸しょ寶ほう幡ばん。
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ與よ五ご百ひゃく侍じ女にょ。遙よう見けん妙みょう臺だい種しゅ種じゅ珍ちん寶ほう以い爲い挍きょう飾じき。
又う見けん釋しゃく提だい桓がん因いん與よ無む量りょう百ひゃく千せん諸しょ天てん以い天てん曼まん陀だ羅ら華け天てん金こん銀ごん華け天てん栴せん檀だん華け以い散さん臺だい上じょう。
天てん於お空くう中ちゅう作さ諸しょ伎ぎ樂がく。即そく問もん釋しゃく提だい桓がん因いん。
『憍きょう尸し迦か。汝にょ以い何が故こ與よ諸しょ天てん衆しゅ。以い天てん曼まん陀だ羅ら華け天てん金こん銀ごん華け天てん栴せん檀だん華け散さん此し臺だい上じょう。於お虚こ空くう中ちゅう作さ諸しょ伎ぎ樂がく。』
釋しゃく提だい桓がん因いん言ごん。
『善ぜん男なん子し。汝にょ不ふ知ち耶や。有う法ほう名みょう摩ま訶か般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。是ぜ諸しょ菩ぼ薩さつ母も。
菩ぼ薩さつ於お是ぜ中ちゅう學がく。當とう得とく盡じん諸しょ功く徳どく一いっ切さい佛ぶつ法ほう疾しつ得とく薩さつ婆ば若にゃ。』
薩さっ陀た波は崙ろん言ごん。
『憍きょう尸し迦か。摩ま訶か般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ是ぜ諸しょ菩ぼ薩さつ母も。爲い在ざい何が處しょ。我が今こん欲よく見けん。』
(釋しゃく提だい桓がん因いん言ごん)
『善ぜん男なん子し。在ざい此し七しっ寶ほう篋きょう中ちゅう黄おう金こん鍱よう上じょう。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ七しち處しょ印いん之し。我が不ふ得とく示じ汝にょ。』
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ與よ五ご百ひゃく女にょ人にん。各かく持じ種しゅ種じゅ華け香こう瓔よう珞らく幡ばん蓋がい衣え服ぶく金こん銀ごん珍ちん寶ほう。
以い半はん供く養よう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。以い半はん供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ以い種しゅ種じゅ花け香こう瓔よう珞らく幡ばん蓋がい衣え服ぶく金こん銀ごん寶ほう花け。
作さ諸しょ伎ぎ樂がく。供く養よう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ已い。向こう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ所しょ。
復ぶ以い種しゅ種じゅ華け香こう瓔よう珞らく碎さい末まつ栴せん檀だん金こん銀ごん寶ほう華け。
供く養よう法ほう故こ散さん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ上じょう。
即そく住じゅう虚こ空くう合ごう成じょう寶ほう蓋がい。其ご蓋がい四し邊へん垂すい諸しょ寶ほう幡ばん。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ及ごう五ご百ひゃく女にょ人にん。見けん此し神じん力りき心しん大だい歡かん喜ぎ。作さ是ぜ念ねん。
(未み曾ぞう有う也や。曇どん無む竭かつ大だい師し神じん力りき乃ない爾に。
未み成じょう佛ぶつ道どう。神じん通ずう之し力りき尚しょう能のう如にょ是ぜ。況きょう得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。)
時じ五ご百ひゃく女にょ人にん敬きょう重じゅう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。故こ皆かい發ほつ阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい心しん。
『我が等とう以い是ぜ善ぜん根ごん因いん縁ねん。於お未み來らい世せ當とう得とく作さ佛ぶつ。行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ亦やく得とく如にょ是ぜ功く徳どく。
如にょ今こん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。供く養よう恭く敬ぎょう尊そん重じゅう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
爲い人にん演えん説せつ。成じょう就じゅ方ほう便べん力りき。亦やく如にょ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。』
薩さっ陀た波は崙ろん及ごう五ご百ひゃく女にょ人にん頭ず面めん禮らい曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ足そく。合がっ掌しょう恭く敬ぎょう却きゃく住じゅう一いち面めん。
薩さっ陀た波は崙ろん白びゃく曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ言ごん。
『我が本ほん求ぐ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ時じ。於お空くう林りん中ちゅう聞もん空くう中ちゅう聲しょう言ごん。
善ぜん男なん子し。從じゅう是ぜ東とう行ぎょう。當とう得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
我が即そく東とう行ぎょう。東とう行ぎょう不ふ久く便べん作さ是ぜ念ねん。
我が云うん何が不ふ問もん空くう中ちゅう聲しょう。去こ當とう遠おん近ごん從じゅう誰すい得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
憂う愁しゅ懊おう惱のう即そく住じゅう七しち日にち。不ふ念ねん飮おん食じき及ごう世せ俗ぞく事じ。但たん念ねん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
我が云うん何が不ふ問もん空くう中ちゅう聲しょう。去こ當とう近ごん遠おん從じゅう誰すい得とく聞もん。
即そく時じ佛ぶつ像ぞう現げん在ざい我が前ぜん。作さ是ぜ言ごん。
善ぜん男なん子し。從じゅう是ぜ東とう行ぎょう五ご百ひゃく由ゆ旬じゅん。
有う城じょう名みょう衆しゅ香こう城じょう。中ちゅう有う菩ぼ薩さつ名みょう曇どん無む竭かつ。
爲い諸しょ大だい衆しゅ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。汝にょ於お是ぜ中ちゅう。當とう得とく聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
我が於お是ぜ處しょ一いっ切さい法ほう中ちゅう。生しょう無む依え止し想そう。亦やく得とく無む量りょう諸しょ三さん昧まい門もん。
我が住じゅう是ぜ諸しょ三さん昧まい。即そく見けん十じゅう方ほう諸しょ佛ぶつ爲い諸しょ大だい衆しゅ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
諸しょ佛ぶつ讃さん我が言ごん。善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し。
我が等とう本ほん行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ亦やく得とく是ぜ諸しょ三さん昧まい。住じゅう是ぜ諸しょ三さん昧まい中ちゅう。能のう成じょう就じゅ諸しょ佛ぶつ法ほう。
諸しょ佛ぶつ安あん慰い示じ教きょう我が已い。皆かい不ふ復ぶ現げん。
我が從じゅう諸しょ三さん昧まい覺かく已い作さ是ぜ念ねん。諸しょ佛ぶつ從じゅう何が所しょ來らい去こ至し何が所しょ。
不ふ知ち諸しょ佛ぶつ來らい去こ因いん縁ねん故こ。即そく作さ是ぜ念ねん。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ已い曾ぞう供く養よう過か去こ諸しょ佛ぶつ。深じん種しゅ善ぜん根ごん善ぜん學がく方ほう便べん。
必ひつ能のう爲い我が説せつ諸しょ佛ぶつ從じゅう何が所しょ來らい去こ至し何が所しょ。
惟ゆい願がん大だい師し。今こん當とう爲い我が説せつ諸しょ佛ぶつ從じゅう何が所しょ來らい去こ至し何が所しょ。
令りょう我が常じょう得とく不ふ離り見けん佛ぶつ。』」
摩ま訶か般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ 曇どん無む竭かつ品ほん 第だい二に十じゅう八はち
爾に時じ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ語ご薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ言ごん。
「善ぜん男なん子し。諸しょ佛ぶつ無む所しょ從じゅう來らい去こ無む所しょ至し。
何が以い故こ。諸しょ法ほう如にょ。不ふ動どう故こ。諸しょ法ほう如にょ即そく是ぜ如にょ來らい。
善ぜん男なん子し。無む生しょう無む來らい無む去こ。無む生しょう即そく是ぜ如にょ來らい。
實じっ際さい無む來らい無む去こ。實じっ際さい即そく是ぜ如にょ來らい。
空くう無む來らい無む去こ。空くう即そく是ぜ如にょ來らい。
斷だん無む來らい無む去こ。斷だん即そく是ぜ如にょ來らい。
離り無む來らい無む去こ。離り即そく是ぜ如にょ來らい。
滅めつ無む來らい無む去こ。滅めつ即そく是ぜ如にょ來らい。
虚こ空くう性しょう無む來らい無む去こ。虚こ空くう性しょう即そく是ぜ如にょ來らい。
善ぜん男なん子し。離り是ぜ諸しょ法ほう無む有う如にょ來らい。
是ぜ諸しょ法ほう如にょ諸しょ如にょ來らい如にょ。皆かい是ぜ一いち如にょ無む二に無む別べつ。
善ぜん男なん子し。是ぜ如にょ唯ゆい一いち無む二に無む三さん。離り諸しょ數しゅ無む所しょ有う。
善ぜん男なん子し。譬ひ如にょ春しゅん末まつ後ご月がつ日にち中ちゅう熱ねつ時じ見けん野や馬め動どう。
愚ぐ夫ぶ逐ちく之し謂い當とう得とく水すい。
善ぜん男なん子し。於お意い云うん何が。
是ぜ水すい從じゅう何が所しょ來らい。爲い從じゅう東とう海かい來らい。南なん西さい北ほく海かい來らい。」
薩さっ陀た波は崙ろん白びゃく大だい師し言ごん。
「焔えん中ちゅう尚しょう無む有う水すい。況きょう有う來らい處しょ去こ處しょ。
但たん是ぜ愚ぐ人にん無む有う智ち故こ。
於お無む水すい中ちゅう而に生しょう水すい想そう。實じっ無む有う水すい。」
(曇どん無む竭かつ言ごん)
「善ぜん男なん子し。若にゃく有う人にん以い如にょ來らい身しん色しき音おん聲しょう而に生しょう貪とん著じゃく。
如にょ是ぜ人にん等とう分ふん別べつ諸しょ佛ぶつ有う去こ來らい相そう。
當とう知ち是ぜ等とう愚ぐ癡ち無む智ち。如にょ無む水すい中ちゅう而に生しょう水すい想そう。
何が以い故こ。諸しょ佛ぶつ如にょ來らい不ふ應おう以い色しき身しん見けん。
諸しょ佛ぶつ如にょ來らい皆かい是ぜ法ほう身しん故こ。
善ぜん男なん子し。諸しょ法ほう實じっ相そう無む來らい無む去こ。諸しょ佛ぶつ如にょ來らい亦やく復ぶ如にょ是ぜ。
善ぜん男なん子し。譬ひ如にょ幻げん師し幻げん作さ象ぞう兵ひょう馬め兵ひょう車しゃ兵ひょう歩ぶ兵ひょう無む來らい無む去こ。
當とう知ち諸しょ佛ぶつ無む來らい無む去こ亦やく復ぶ如にょ是ぜ。
善ぜん男なん子し。如にょ人にん夢む中ちゅう見けん有う如にょ來らい。
若にゃく一いち若にゃく二に若にゃく十じゅう若にゃく二に十じゅう。
若にゃく五ご十じゅう若にゃく百ひゃく若にゃく過か百ひゃく數しゅ覺かく已い乃ない至し不ふ見けん有う一いち如にょ來らい。
善ぜん男なん子し。於お意い云うん何が。
是ぜ諸しょ如にょ來らい從じゅう何が所しょ來らい去こ。至し何が所しょ。」
薩さっ陀た波は崙ろん白びゃく大だい師し言ごん。
「夢む無む定じょう法ほう皆かい是ぜ虚こ妄もう。」
(曇どん無む竭かつ言ごん)
「善ぜん男なん子し。如にょ來らい説せつ一いっ切さい法ほう虚こ妄もう如にょ夢む。
若にゃく人にん不ふ知ち諸しょ法ほう虚こ妄もう如にょ夢む。
以い色しき身しん名みょう字じ語ご言ごん章しょう句く而に生しょう貪とん著じゃく。
如にょ是ぜ人にん等とう分ふん別べつ諸しょ佛ぶつ而に有う來らい去こ。
不ふ知ち諸しょ法ほう相そう故こ。
若にゃく人にん於お佛ぶつ分ふん別べつ來らい去こ。
當とう知ち是ぜ人にん凡ぼん夫ぶ無む智ち。數さく受じゅ生しょう死じ往おう來らい六ろく道どう。
離り般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ離り於お佛ぶつ法ほう。
善ぜん男なん子し。若にゃく能のう如にょ實じつ知ち佛ぶつ所しょ説せつ一いっ切さい諸しょ法ほう虚こ妄もう如にょ夢む。
是ぜ人にん於お法ほう則そく不ふ分ふん別べつ若にゃく來らい若にゃく去こ若にゃく生しょう若にゃく滅めつ。
若にゃく不ふ分ふん別べつ。是ぜ人にん則そく以い諸しょ法ほう實じっ相そう而に觀かん如にょ來らい。
若にゃく以い法ほう相そう知ち如にょ來らい者しゃ。是ぜ人にん則そく不ふ分ふん別べつ如にょ來らい若にゃく來らい若にゃく去こ。
若にゃく能のう如にょ是ぜ知ち諸しょ法ほう相そう。是ぜ人にん則そく行ぎょう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
近ごん阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
是ぜ名みょう眞しん佛ぶつ弟だい子し。不ふ虚こ受じゅ人にん信しん施せ。
是ぜ爲い世せ界かい福ふく田でん。
善ぜん男なん子し。譬ひ如にょ海かい中ちゅう種しゅ種じゅ珍ちん寶ほう。
不ふ從じゅう東とう方ほう來らい。南なん西さい北ほく方ほう四し維い上じょう下げ來らい。
衆しゅ生じょう福ふく業ごう因いん縁ねん海かい生しょう此し寶ほう。非ひ無む因いん而に有う。
諸しょ寶ほう滅めつ時じ亦やく不ふ至し十じゅう方ほう。
以い衆しゅ縁えん合ごう則そく有う。衆しゅ縁えん滅めつ則そく無む。
善ぜん男なん子し。諸しょ如にょ來らい身しん亦やく復ぶ如にょ是ぜ。
無む有う定じょう法ほう不ふ從じゅう十じゅう方ほう來らい。亦やく不ふ無む因いん而に有う。
以い本ほん行ぎょう報ほう生しょう。衆しゅ縁えん合ごう則そく有う。衆しゅ縁えん滅めつ則そく無む。
善ぜん男なん子し。譬ひ如にょ箜く篌ご音おん聲しょう。無む所しょ從じゅう來らい去こ無む所しょ至し。
屬ぞく衆しゅ因いん縁ねん。有う絃げん有う槽そう有う棍こん。
有う人にん以い手しゅ鼓こ之し。衆しゅ縁えん合ごう則そく有う聲しょう。
是ぜ聲しょう不ふ從じゅう絃げん出すい槽そう出すい棍こん出すい手しゅ出すい。
衆しゅ縁えん合ごう則そく有う聲しょう。而に無む所しょ從じゅう來らい。
衆しゅ縁えん散さん則そく滅めつ而に無む所しょ至し。
善ぜん男なん子し。諸しょ如にょ來らい身しん亦やく復ぶ如にょ是ぜ。屬ぞく衆しゅ因いん縁ねん。
無む量りょう福ふく徳どく之し所しょ成じょう就じゅ。不ふ從じゅう一いち因いん縁ねん一いち福ふく徳どく而に生しょう。
亦やく不ふ無む因いん無む縁ねん而に有う。
以い衆しゅ縁えん合ごう則そく有う。而に無む所しょ從じゅう來らい。
衆しゅ縁えん散さん則そく滅めつ。而に去こ無む所しょ至し。
善ぜん男なん子し。應おう當とう如にょ是ぜ觀かん諸しょ如にょ來らい來らい去こ之し相そう。
亦やく應おう如にょ是ぜ觀かん諸しょ法ほう相そう。
善ぜん男なん子し。汝にょ若にゃく如にょ是ぜ觀かん諸しょ如にょ來らい及ごう一いっ切さい法ほう。
無む來らい無む去こ。無む生しょう無む滅めつ。
必ひつ至し阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
亦やく得とく了りょう達だつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ方ほう便べん。」
説せつ是ぜ如にょ來らい無む來らい無む去こ法ほう時じ。
三さん千ぜん大だい千せん世せ界かい地じ大だい震しん動どう。
諸しょ天てん宮く殿でん亦やく皆かい震しん動どう。諸しょ魔ま宮く殿でん皆かい不ふ復ぶ現げん。
三さん千ぜん大だい千せん世せ界かい草そう木もく華け樹じゅ。悉しっ皆かい傾きょう向こう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
諸しょ樹じゅ皆かい出すい非ひ時じ妙みょう華け。
釋しゃく提だい桓がん因いん及ごう四し天てん王おう。
於お虚こ空くう中ちゅう雨う天てん名みょう華け天てん末まつ栴せん檀だん。
散さん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ上じょう。語ご薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ言ごん。
「因いん仁にん者しゃ故こ。我が等とう今こん日にち聞もん第だい一いち義ぎ。
一いっ切さい世せ界かい所しょ難なん値ち遇ぐ。貪とん身しん見けん者しゃ所しょ不ふ能のう及ごう。」
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ白びゃく曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
「何が因いん縁ねん故こ地じ大だい震しん動どう。」
曇どん無む竭かつ言ごん。
「以い汝にょ向こう問もん是ぜ諸しょ如にょ來らい無む來らい無む去こ。我が答とう汝にょ時じ。
有う八はち千せん人にん得とく無む生しょう法ほう忍にん。
八はち十じゅう那な由ゆ他た衆しゅ生じょう發ほつ阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい心しん。
八はち萬まん四し千せん衆しゅ生じょう遠おん塵じん離り垢く。於お諸しょ法ほう中ちゅう得とく法ほう眼げん淨じょう。」
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ心しん即そく歡かん喜ぎ作さ是ぜ念ねん。
(我が今こん則そく爲い大だい得とく善ぜん利り。
聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ中ちゅう無む來らい無む去こ。利り益やく如にょ是ぜ無む量りょう衆しゅ生じょう。
我が之し善ぜん根ごん已い爲い具ぐ足そく。
於お阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。心しん無む疑ぎ悔け。必ひつ當とう作さ佛ぶつ。)
薩さっ陀た波は崙ろん聞もん法ほう生しょう歡かん喜ぎ因いん縁ねん。
即そく昇しょう虚こ空くう高こう七しち多た羅ら樹じゅ。作さ是ぜ念ねん。
(我が今こん當とう以い何が物もつ供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。)
釋しゃく提だい桓がん因いん知ち薩さっ陀た波は崙ろん心しん所しょ念ねん。
即そく以い天てん曼まん陀だ羅ら華け與よ薩さっ陀た波は崙ろん。作さ是ぜ言ごん。
「汝にょ以い是ぜ花け供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。善ぜん男なん子し。
我が等とう應おう助じょ成じょう汝にょ。以い汝にょ因いん縁ねん故こ利り益やく無む量りょう衆しゅ生じょう。
善ぜん男なん子し。如にょ是ぜ之し人にん甚じん難なん得とく値ち。能のう爲い一いっ切さい衆しゅ生じょう故こ。
於お無む量りょう阿あ僧そう祇ぎ劫こう往おう來らい生しょう死じ。」
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ受じゅ釋しゃく提だい桓がん因いん曼まん陀だ羅ら華け。
散さん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ上じょう。
從じゅう虚こ空くう下げ頭ず面めん作さ禮らい。白びゃく大だい師し言ごん。
「我が從じゅう今こん日にち以い身しん供く給きゅう奉ぶ上じょう大だい師し。」
作さ是ぜ語ご已い。合がっ掌しょう一いち面めん立りゅう。
爾に時じ長じょう者しゃ女にょ及ごう五ご百ひゃく侍じ女にょ。
白びゃく薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ言ごん。
「我が等とう今こん者しゃ以い身しん奉ぶ上じょう。持じ是ぜ善ぜん根ごん因いん縁ねん。
當とう得とく如にょ是ぜ善ぜん法ほう。世せ世せ常じょう共ぐ供く養よう諸しょ佛ぶつ常じょう相そう親しん近ごん。」
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ報ほう諸しょ女にょ言ごん。
「汝にょ若にゃく以い身しん與よ我が誠じょう心しん隨ずい我が行ぎょう者しゃ。我が當とう受じゅ汝にょ。」
諸しょ女にょ白びゃく言ごん。
「我が等とう誠じょう心しん以い身しん奉ぶ上じょう當とう隨ずい所しょ行ぎょう。」
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ與よ五ご百ひゃく女にょ人にん并びょう諸しょ寶ほう物もつ莊しょう嚴ごん之し具ぐ及ごう五ご百ひゃく乘じょう車しゃ。
奉ぶ上じょう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。白びゃく言ごん大だい師し。
「以い是ぜ五ご百ひゃく女にょ人にん奉ぶ給きゅう大だい師し。五ご百ひゃく乘じょう車しゃ隨ずい意い所しょ用ゆう。」
爾に時じ釋しゃく提だい桓がん因いん讃さん薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ言ごん。
「善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。菩ぼ薩さつ摩ま訶か薩さつ應おう如にょ是ぜ學がく一いっ切さい捨しゃ法ほう。
菩ぼ薩さつ有う是ぜ一いっ切さい捨しゃ者しゃ。
則そく能のう疾しつ得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
諸しょ菩ぼ薩さつ爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう方ほう便べん故こ。
應おう如にょ汝にょ今こん供く養よう於お師し。
過か去こ諸しょ佛ぶつ本ほん行ぎょう菩ぼ薩さつ道どう時じ。亦やく皆かい如にょ汝にょ住じゅう是ぜ捨しゃ中ちゅう。
爲い般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ供く養よう於お師し。
爲い聞もん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう方ほう便べん故こ。
得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。」
爾に時じ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ欲よく令りょう薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ善ぜん根ごん具ぐ足そく故こ。
受じゅ五ご百ひゃく女にょ人にん及ごう五ご百ひゃく乘じょう車しゃ。
受じゅ已い還げん與よ薩さっ陀た波は崙ろん。
從じゅう坐ざ而に起き還げん入にゅう宮く中ちゅう。是ぜ時じ日にち沒もつ。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ作さ是ぜ念ねん。
(我が爲い法ほう來らい不ふ應おう坐ざ臥が。
當とう以い二に事じ。若にゃく行ぎょう若にゃく立りゅう以い待たい法ほっ師し出すい宮く説せつ法ほう。)
爾に時じ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ七しち歳さい常じょう入にゅう菩ぼ薩さつ無む量りょう三さん昧まい無む量りょう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう方ほう便べん觀かん。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ。滿まん七しち歳さい中ちゅう若にゃく行ぎょう若にゃく立りゅう離り於お睡すい眠みん。
不ふ念ねん於お欲よく不ふ念ねん美み味み。
但たん念ねん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ何が時じ當とう從じゅう禪ぜん起き。
我が當とう爲い敷ふ法ほう座ざ。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ當とう坐ざ説せつ法ほう。
我が當とう掃そう灑しゃ令りょう地じ清しょう淨じょう布ふ種しゅ種じゅ華け。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ當とう説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう方ほう便べん時じ。
長じょう者しゃ女にょ及ごう五ご百ひゃく女にょ人にん亦やく皆かい七しち歳さい隨ずい薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ所しょ行ぎょう之し事じ。
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ聞もん空くう中ちゅう聲しょう言ごん。
「善ぜん男なん子し。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ却きゃく後ご七しち日にち從じゅう三さん昧まい起き。
當とう於お城じょう中ちゅう法ほう座ざ上じょう説せつ法ほう。」
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ聞もん空くう中ちゅう聲しょう心しん大だい歡かん喜ぎ。
與よ五ご百ひゃく女にょ人にん欲よく爲い曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ敷ふ大だい法ほう座ざ。
是ぜ時じ諸しょ女にょ各かく脱だつ上じょう衣え。以い爲い法ほう座ざ作さ是ぜ念ねん。
(曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ當とう坐ざ此し座ざ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ及ごう方ほう便べん。)
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ欲よく灑しゃ法ほう座ざ處しょ地じ。求ぐ水すい不ふ得とく。惡あく魔ま隱おん蔽へい令りょう水すい不ふ現げん。作さ是ぜ念ねん。
(薩さっ陀た波は崙ろん求ぐ水すい不ふ得とく。或わく當とう憂う悔け心しん動どう變へん異い。善ぜん根ごん不ふ増ぞう智ち慧え不ふ照しょう。)
薩さっ陀た波は崙ろん求ぐ水すい不ふ得とく。即そく作さ是ぜ念ねん。
(我が當とう刺し身しん出すい血けつ以い用ゆう灑しゃ地じ。何が以い故こ。此し中ちゅう塵じん土ど坌ほん於お大だい師し。
我が今こん何が用ゆう此し身しん。此し身しん不ふ久く必ひつ當とう壞え敗はい。
我が寧にょう爲い法ほう以い滅めつ於お身しん終じゅう不ふ空くう死し。
又う我が常じょう以い五ご欲よく因いん縁ねん。喪そう無む數しゅ身しん往おう來らい生しょう死じ未み曾ぞう得とく爲い如にょ是ぜ法ほう也や。)
薩さっ陀た波は崙ろん即そく以い利り刀とう周しゅう遍へん刺し身しん以い血けつ灑しゃ地じ。
五ご百ひゃく女にょ人にん亦やく効きょう薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ。各かく各かく刺し身しん以い血けつ灑しゃ地じ。
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ及ごう五ご百ひゃく女にょ人にん。乃ない至し一いち念ねん無む有う異い心しん。
魔ま不ふ能のう壞え障しょう其ご善ぜん根ごん。
爾に時じ釋しゃく提だい桓がん因いん作さ是ぜ念ねん。
(未み曾ぞう有う也や。薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ愛あい法ほう堅けん固こ。
發ほつ大だい莊しょう嚴ごん不ふ惜しゃく身しん命みょう。深じん心しん趣しゅ於お阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。
當とう得とく阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。度ど脱だつ無む量りょう衆しゅ生じょう生しょう死じ苦く惱のう。)
即そく時じ釋しゃく提だい桓がん因いん變へん灑しゃ地じ血けつ爲い天てん赤しゃく栴せん檀だん水すい。
法ほう座ざ四し邊へん面めん百ひゃく由ゆ旬じゅん。天てん栴せん檀だん氣け流る布ふ遍へん滿まん。
釋しゃく提だい桓がん因いん讃さん言ごん。
「善ぜん哉ざい善ぜん哉ざい。善ぜん男なん子し。汝にょ精しょう進じん力りき不ふ可か思し議ぎ。愛あい法ほう求ぐ法ほう最さい爲い無む上じょう。
善ぜん男なん子し。過か去こ諸しょ佛ぶつ亦やく皆かい如にょ是ぜ。深じん心しん精しょう進じん愛あい法ほう求ぐ法ほう。
以い此し修しゅ集じゅう阿あ耨のく多た羅ら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい。」
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん作さ是ぜ念ねん。
(我が爲い曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。已い敷ふ法ほう座ざ掃そう灑しゃ清しょう淨じょう。
當とう於お何が所しょ得とく好こう名みょう華け莊しょう嚴ごん此し地じ。曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ在ざい座ざ説せつ法ほう當とう以い供く養よう。)
釋しゃく提だい桓がん因いん知ち薩さっ陀た波は崙ろん心しん所しょ念ねん。
即そく以い三さん千ぜん石しゃく天てん曼まん陀だ羅ら華け。與よ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ作さ是ぜ言ごん。
「善ぜん男なん子し。取しゅ是ぜ曼まん陀だ羅ら華け莊しょう嚴ごん此し地じ。供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。」
薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ受じゅ此し華け已い。以い半はん散さん地じ以い半はん供く養よう曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ。
爾に時じ曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ過か七しち日にち已い從じゅう三さん昧まい起き。
與よ無む量りょう百ひゃく千せん萬まん衆しゅ恭く敬ぎょう圍い繞にょう趣しゅ法ほう座ざ所しょ。坐ざ法ほう座ざ上じょう説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
薩さっ陀た波は崙ろん見けん曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ心しん大だい喜き樂らく。譬ひ如にょ比び丘く入にゅう第だい三さん禪ぜん。
爾に時じ薩さっ陀た波は崙ろん及ごう五ご百ひゃく女にょ人にん散さん華け供く養よう。頭ず面めん禮らい足そく却きゃく坐ざ一いち面めん。
曇どん無む竭かつ菩ぼ薩さつ因いん薩さっ陀た波は崙ろん。爲い大だい衆しゅ説せつ言ごん。
「諸しょ法ほう等とう故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく等とう。
諸しょ法ほう離り故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく離り。
諸しょ法ほう不ふ動どう故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく不ふ動どう。
諸しょ法ほう無む念ねん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む念ねん。
諸しょ法ほう無む畏い故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む畏い。
諸しょ法ほう一いち味み故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく一いち味み。
諸しょ法ほう無む邊へん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む邊へん。
諸しょ法ほう無む生しょう故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む生しょう。
諸しょ法ほう無む滅めつ故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む滅めつ。
如にょ虚こ空くう無む邊へん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む邊へん。
如にょ大だい海かい無む邊へん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む邊へん。
如にょ須しゅ彌み山せん莊しょう嚴ごん般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく莊しょう嚴ごん。
如にょ虚こ空くう無む分ふん別べつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む分ふん別べつ。
色しき無む邊へん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく無む邊へん。
受じゅ想そう行ぎょう識しき無む邊へん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む邊へん。
地じ種しゅ無む邊へん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む邊へん。
水すい種しゅ火か種しゅ風ふう種しゅ空くう種しゅ無む邊へん故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む邊へん。
如にょ金こん剛ごう等とう故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ亦やく等とう。
諸しょ法ほう無む壞え故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む壞え。
諸しょ法ほう性しょう不ふ可か得とく故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ性しょう不ふ可か得とく。
諸しょ法ほう無む等とう故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む等とう。
諸しょ法ほう無む所しょ作さ故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ無む所しょ作さ。
諸しょ法ほう不ふ可か思し議ぎ故こ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ不ふ可か思し議ぎ。」
是ぜ時じ薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ即そく於お坐ざ所しょ。
得とく諸しょ法ほう等とう三さん昧まい。諸しょ法ほう離り三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ動どう三さん昧まい。諸しょ法ほう無む念ねん三さん昧まい。
諸しょ法ほう無む畏い三さん昧まい。諸しょ法ほう一いち味み三さん昧まい。諸しょ法ほう無む邊へん三さん昧まい。諸しょ法ほう無む生しょう三さん昧まい。
諸しょ法ほう無む滅めつ三さん昧まい。虚こ空くう無む邊へん三さん昧まい。大だい海かい無む邊へん三さん昧まい。須しゅ彌み山せん莊しょう嚴ごん三さん昧まい。
如にょ虚こ空くう無む分ふん別べつ三さん昧まい。色しき無む邊へん三さん昧まい。受じゅ想そう行ぎょう識しき無む邊へん三さん昧まい。
地じ種しゅ無む邊へん三さん昧まい。水すい種しゅ火か種しゅ風ふう種しゅ空くう種しゅ無む邊へん三さん昧まい。
如にょ金こん剛ごう等とう三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ壞え三さん昧まい。諸しょ法ほう性しょう不ふ可か得とく三さん昧まい。
諸しょ法ほう無む等とう三さん昧まい。諸しょ法ほう無む所しょ作さ三さん昧まい。諸しょ法ほう不ふ可か思し議ぎ三さん昧まい。
得とく如にょ是ぜ等とう六ろく百ひゃく萬まん三さん昧まい。
摩ま訶か般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ 囑しょく累るい品ほん 第だい二に十じゅう九く
爾に時じ佛ぶつ告ごう須しゅ菩ぼ提だい。
「薩さっ陀た波は崙ろん菩ぼ薩さつ得とく六ろく百ひゃく萬まん三さん昧まい門もん已い。
即そく見けん十じゅう方ほう如にょ恒ごう河が沙しゃ等とう世せ界かい諸しょ佛ぶつ。與よ大だい比び丘く衆しゅ恭く敬ぎょう圍い繞にょう。
皆かい以い是ぜ文もん字じ章しょう句く相そう貌みょう説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
如にょ我が今こん於お此し三さん千ぜん大だい千せん世せ界かい。與よ諸しょ大だい衆しゅ恭く敬ぎょう圍い繞にょう。
以い是ぜ文もん字じ章しょう句く相そう貌みょう説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ。
薩さっ陀た波は崙ろん從じゅう是ぜ已い後ご。多た聞もん智ち慧え不ふ可か思し議ぎ。如にょ大だい海かい水すい。
世せ世せ所しょ生しょう不ふ離り諸しょ佛ぶつ。現げん在ざい諸しょ佛ぶつ常じょう生しょう其ご所しょ。一いっ切さい衆しゅ難なん皆かい悉しっ得とく斷だん。
須しゅ菩ぼ提だい。當とう知ち是ぜ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ因いん縁ねん。能のう具ぐ足そく菩ぼ薩さつ道どう。
是ぜ故こ諸しょ菩ぼ薩さつ若にゃく欲よく得とく一いっ切さい智ち慧え。應おう當とう信しん受じゅ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ讀どく誦じゅ正しょう憶おく念ねん。
如にょ説せつ修しゅ行ぎょう廣こう爲い人にん説せつ。
亦やく當とう了りょう了りょう書しょ寫しゃ經きょう卷かん供く養よう恭く敬ぎょう尊そん重じゅう讃さん歎たん華け香こう瓔よう珞らく末まつ香こう塗ず香こう幡ばん蓋がい伎ぎ樂がく等とう。則そく是ぜ我が教きょう。」
爾に時じ佛ぶつ告ごう阿あ難なん。
「於お意い云うん何が。佛ぶつ是ぜ汝にょ大だい師し不ふ。」
(阿あ難なん)
「世せ尊そん。佛ぶつ是ぜ我が大だい師し。如にょ來らい是ぜ我が大だい師し。」
佛ぶつ告ごう阿あ難なん。
「我が是ぜ汝にょ大だい師し。汝にょ是ぜ我が弟だい子し。
汝にょ以い身しん口く意い業ごう。於お今こん現げん在ざい供く養よう恭く敬ぎょう尊そん重じゅう於お我が。
我が滅めつ度ど後ご汝にょ當とう以い是ぜ供く養よう恭く敬ぎょう尊そん重じゅう般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ第だい二に第だい三さん亦やく如にょ是ぜ説せつ。
我が以い般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ囑しょく累るい於お汝にょ。愼しん莫まく忘もう失しつ。莫まく作さ最さい後ご斷だん種しゅ人にん也や。
阿あ難なん。隨ずい爾に所しょ時じ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ在ざい世せ。當とう知ち爾に所しょ時じ有う佛ぶつ在ざい世せ説せつ法ほう。
阿あ難なん。若にゃく有う書しょ寫しゃ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ受じゅ持じ讀どく誦じゅ正しょう憶おく念ねん。
如にょ所しょ説せつ行ぎょう廣こう爲い人にん説せつ。供く養よう恭く敬ぎょう尊そん重じゅう讃さん歎たん華け香こう乃ない至し伎ぎ樂がく。
當とう知ち是ぜ人にん不ふ離り見けん佛ぶつ不ふ離り聞もん法ほう常じょう親しん近ごん佛ぶつ。」
佛ぶつ説せつ般はん若にゃ波は羅ら蜜みつ已い。
彌み勒ろく等とう諸しょ菩ぼ薩さつ摩ま訶か薩さつ。
舍しゃ利り弗ほつ須しゅ菩ぼ提だい目もく揵けん連れん摩ま訶か迦か葉しょう等とう諸しょ聲しょう聞もん衆しゅ。
一いっ切さい世せ間けん天てん人にん阿あ修しゅ羅ら等とう。
聞もん佛ぶつ所しょ説せつ。歡かん喜ぎ信しん受じゅ。
小しょう品ほん般はん若にゃ經きょう卷かん第だい十じゅう
『小品般若波羅蜜經』卷第一(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第二(読誦用テキスト)
小品般若波羅蜜經: 卷第三(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第四(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第五(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第六(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第七(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第八(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第九(読誦用テキスト)
『小品般若波羅蜜經』卷第十(読誦用テキスト)
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